なぜPDFなのでしょうか?
PDFでなくても今までIllustratorやQuarkXPressデータのままでデータ入稿をすることは可能でした。
わざわざPDFにするメリットはいったいどこにあるのでしょうか?
1:作成ソフトウェアの制限がなくなる
印刷会社や出力センターが自分の持っているソフトウェアに対応していなくて困ったことはありませんか?
PDFはPDF変換をした時点で既に作成元のソフトウェアとは切り離された別の形式になっています。
このためPDF入稿に対応している印刷会社・出力センターを選べば、データはできているのに、印刷・出力ができないということはなくなります。制作者側の使用したいソフトウェアを今まで通り自由に使うことができるのです。
最近はデータ作成のソフトから直接PDFを作成が可能になっているものも多くなってきました。Adobe IllustratorやInDesignはもとより、QuarkXPress6でも直接PDF作成が可能になっています。データのやりとりをPDFにすることで、制作者側は新しいソフトウェアでも気兼ねなく使用することができるのです。
2:ファイルの添付し忘れがなくなる
QuarkXPressやIllustratorのデータ入稿でフォントの添付し忘れや、画像の添付し忘れなどをしたことはありませんか?
PDFはそのファイル単独でフォント・画像などを含むことができます。フォントの添付し忘れや、画像のリンクし忘れ・添付し忘れなどを防ぐことが可能です。このことは何を示すのでしょうか。
PDFがファイル単独ですべてを含むことができれば、データを渡す側・受ける側の確認作業は格段に減少します。もうフォントが明朝の斜体で出力されたり、フォントがCourierで出力されてしまったりすることはありません。
また、フォントの埋め込みによって使用フォントの制限がなくなります。どんなフォントも埋め込みさえすれば、出力先のフォントの状況がどのような状況であるかを気にせず、気に入ったフォントを気兼ねなく使えるようになるのです。
さらに、画像も埋め込まれているので、画像のリンクミスも発生しませんし―PDFはAcrobat・Acrobat Reader・Adobe Readerで中身を見ることができるので―リンクされた画像が壊れているかどうかなどという心配をする必要もなくなるのです。
3:仕上がりイメージの確認ができる
制作した(もしくは支給された)EPS・PostScriptデータの中身を目でチェックしてみたいと思ったことはありませんか?
PDFでは、データの仕上がりイメージをチェックする事が可能です。今まではEPSやPostScriptデータをもらっても、作成したアプリケーションがない場合には開くことができなかったり、開くことができてもエラーになることが多くありました。もしくはプリンタにデータを送信するまでそのデータの中身がわからないということも数多くありました。
ではPDFはどうでしょうか。PDFはAcrobat・Acrobat Reader・Adobe ReaderというPDFビュアーが提供されています。このPDFビュアーでは最大6400%という拡大率でPDFを詳細に表示することも可能です(Acrobat6.0・Adobe Reader6.0の場合)。これはデータの確認がしやすいということを表しています。
PDFに含まれている画像はすべてが実画像なのですから、PDFビュアーで表示されているそのものが印刷物として表現されるということです。入稿前の最終確認は必ず行いましょう。データの確認を怠れば、エラーの状態そのままで印刷物が仕上がってくるのは明らかです。
Acrobat Reader・Adobe ReaderなどのPDFビュアーは嬉しいことに無料で提供されているのです。利用しない手はありません。†1
4:作業環境の統一が図れる
MacやWindowsなどのプラットフォーム(OS)の違いに悩まされたことはありませんか?
PDFはWindowsやMacOSだけのものではありません。
Windows・MacOSだけでなくLinuxやSolarisなど各プラットフォームにもAcrobat Readerがあり、PDFを表示・閲覧することができます。つまりPDFはマルチプラットフォームなのです。閲覧だけではなく、PDFの作成に関する仕様も公開されていますから、技術的にはどのプラットフォームでもPDFを作成することが可能です。
マルチプラットフォームということは、様々なプラットフォームで作成されたPDFデータをあるひとつのOSから出力することもできるということです。つまりデータを受け取った側の作業環境を統一することもできるのです。作業環境の統一はコスト削減に繋がります。より無駄のない機材の投入が可能になるわけです。
5:データサイズをコンパクトにすることができる
PostScript・EPSファイルのデータがもっとコンパクトになればと思ったことはありませんか?
PDFは圧縮の機能があるのでファイルをコンパクトにすることができます。
圧縮の設定やデータの内容にもよりますが、データのサイズが1/20程度にまで小さくなった例もあります。データサイズがコンパクトであれば、インターネットを経由した通信入稿に必要な時間が短縮されます。
つまりより早くデータ入稿ができます。通信入稿の場合でなくてもデータサイズがコンパクトであることでMO・CD-R/RW・DVD-R/RWなどの媒体にデータをコピーする時間を節約することができます。
6:よりクリアなデータにすることができる
IllustratorやQuarkXPressなどで普通に制作しているはずなのにPostScriptエラーが発生して困ってしまったことはありませんか?
Acrobat Distiller†2などでEPS・PostScriptをPDFに変換することで、最終的に渡すデータを「よりクリアなデータ」にすることが可能になります。PDFにすることで結果的にPostScriptエラー・出力エラーの発生を減らすことができます。
7:印刷向けのPDF規格「PDF/X」がある
IllustratorやPhotoshopで作成したEPS・PostScriptデータが印刷に適しているかどうかを判断したいと思ったことはありませんか?
EPS・PostScriptデータは、そのままでは印刷に適したデータであるかどうかは分かりません。RGBデータが残っているかもしれないし、フォントが正しく含まれていないかもしれませんし、画像差し替えの情報が残っているかもしれません。
PDFには印刷向けに策定されたPDF/Xという国際標準規格があります。Acrobat6以降ではEPS・PostScriptデータをPDFに変換する時や、PDFを開いた時にこのPDF/Xの基準に準拠しているかどうかを判断する機能があります。
つまりPDF/Xの基準に準拠していれば、そのPDFは印刷に適したPDFであるといえ、より安全にPDF入稿ができます。
PDF変換・PDF入稿にチャレンジしてみましょう!
以上のことはすべて作業コストに反映されます。エラー・再入稿・作業工程・作業時間が少なくなれば作業コストを抑えることができます。
吉田印刷所/印刷通販「トクプレ.」ではこうしたPDFのメリットをお客様に最大限還元し、A4・A3・B5・B4サイズでは通常のDTPアプリケーションデータの入稿よりもPDFでの入稿の価格を下げております。