本田 吉田印刷所様が考える「全体」というのは自社だけでなく、発注されるお客様も対象にした社会全体であるということですね。後程、吉田印刷所がお客様に展開されている様々な提案を聞いていただければ、今お話に出ました全体の範囲が「正にそうだ」とお分かりいただけると思います。
ITについてお話しいただきましたが、機能やサーバーといった細かいところではなく、本質は、「どのように使うか」という点にあるというお話でした。ITを用いて工程の流れを自動化することにより、社内のエネルギーをいかに省力していくかということですね。
エネルギーという視点で捉えますと、例えば「環境問題、これはやらないとだめだ!」と必死になった場合、大変なエネルギーがかかってしまいます。エネルギーがかかれば当然経済性が麻痺し、環境問題への取り組みに対しネガティブな発想になっていくパターンが多いように実感しております。
ネガティブな発想から視点を変えて、例えば吉田印刷所様がされているように、普段から「あたりまえ」に無駄の削減に取り組む形はいかがでしょうか。継続していくことで環境により良い影響を与え、その結果、経済的にも良い方向に影響する。
初めに吉田社長から、エコロジーとエコノミーはどちらが先かという性質のものではないというお話がありました。同じように、エネルギーも、エコロジーやエコノミーと切っても切れない関係にあり、このバランスを1つ間違えたために本質を見失ってしまうこともあります。
つまり、エコロジー・エコノミー・エネルギー、この3つのバランスが重要ということです。これらを、印刷業界が今必要とされている「3つのE」として常に意識していただきたいと思います。
吉田 エコロジー、エコノミー、そしてエネルギーという3つのE。それにプラス、私どもはエボリューションカンパニーを目指し常に進化し続ける会社でありたいと願っております。エボリューションのEを入れて4つのEでお考えになると、先の見える変化には進化が必要なんだということが、更にお分かりいただけるのではないかと思います。
進化とは、未来を予測する能力であり、不可能を可能にする希望の光だと思っています。これとは逆に、進化できない企業の未来には、これまでの仕組みが先細りする衰退の道しか残されていないのではないでしょうか。
私の考える「進化する」とは、これまでとまったく違うことをやれという話ではありません。今までやってこなかったこと、やれないと思っていたことを本気になってやれという話です。この件に関してはまた後程、本田さんとお話したいと思っています。