1.外はボロボロ、中はピカピカ-1
吉田 ここからは松石社長とのパネルディスカッションに移りたいと思います。
司会 吉田社長のお話にもありました、「乾燥促進印刷」と私たちの商品である「アズーラ」をもう少し掘り下げて、弊社社長の松石と吉田社長のディスカッション形式でお話させていただきたいと思います。
松石社長 アグフアの松石です。今日は貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
吉田印刷所さんの御名前はもう有名ですから、私も何年も前から存じ上げていたんです。アズーラをテストしていただけるということになり、初めてお伺いした時に、新潟駅を降りて社員が運転する車に乗りまして。どんどんどんどん山の中に入っていくので、不安になって「道、間違えてないか?」と言ったんですよね。そしたら、「いえ、こっちなんです」と。(笑)
五泉のこの地に着きまして、「え? ここにあの有名な吉田印刷所さんがあるのか」って驚きました。今日、私と同じように驚かれている方もたくさんいらっしゃると思うんですけれども、わずか4万人しかいない…。
吉田 市町村合併で隣の町と合併しましたので、5万人以上は今はいるのかな。
松石社長 あ、すみません。5万人以上。(笑)
吉田 大切なんですよ。(笑)
松石社長 極端に言うと、この市の中では印刷の内需はほとんどないでしょうから、それで全国からWEBでの印刷受注というのを日本で最初にやられたんだと思うのです。この五泉市で、日本でもトップクラス、ダントツと言っても良い程の高い技術力を構築して、しかも既に何千人というお客様がこの乾燥促進印刷を初めとした技術モデルを学びに来られているということなんですね。
東京や大阪のように優れた同業者がたくさんいて刺激し合うという環境ではない中で、高い意欲と前向きな姿勢を維持して、しかもメーカーが教えてくれたとか、誰々がやってるからといった技術ではない、日本中が着目するような独自技術を構築されたということに、本当に敬意を表します。
私が一つ驚いたことは、我々はよく「短納期」と言います。3日間で印刷を仕上げなきゃいけない、それが2日になって1日になっていき、今、日本中の 印刷会社さんはUV強制乾燥機能付き印刷機をどんどん買われています。買わないと仕事が出来ない。そういう風潮になっていると思うんですけれども、吉田印 刷所さんはそのUV強制乾燥装置がなく、しかもブロッキング防止パウダーをほとんど使いません。
まず工場内に入ると印刷機の横にCTPが置いてあります。これは驚きます。普通だったら、我々もですが、どこのCTPメーカーも「それは駄目です。 やめてください。パウダーが入ったらどうするんですか。機械がおしゃかになりますよ」とお話をします。それが吉田さんの工場では堂々と置いてある。