講演録第4弾「私たちは価値の実をお客様と共に収穫する会社です。」

4.価値に含まれる利益

さて、ここで皆さんにお渡しした、私の名刺をご覧ください。

これが本日の非常識な講演資料です。そこに『私たちは価値の実をお客様と共に収穫する会社です』と書かれています。この名刺をお渡ししますと、「この価値の実とはいったい何ですか」と質問されることがあります。

皆さんは「価値の実」に何を連想されるでしょうか。当社の考える価値の実とは、紛れもなく利益を表しています。お客様にこの価値に含まれる利益をどのように受け止めていただけるかが、とても重要だと考えています。

利益には「りやく」という別読みがあります。この読みに接頭語を付けると「ごりやく」となります。この名刺に書かれた文章には、お客様と共に、利益(りやく)に通じる価値ある仕事をさせていただき、その結果生まれる利益を共に収穫する会社でありたいと願っていることを表しています。

また、「お客様と共に」のお客様とは、単純に発注者を指すのではありません。これまでは発注者であるお客様と、それを受注する当社という二者の関わりのみの認識でしたが、実はそうではないと感じています。

当社の考えるお客様とは、発注する側だけでなく、それを利用される側も含めてのお客様だと思っています。つまり、発注者、受注者、利用者によって作られるトライアングルの中で発生する情報をきちんと整理し、無駄なく活用して流通させることが、三方が利益を与る価値ある仕組みを作ることに繋がると考えています。

これを実現するために、実際に印刷物を利用されるお客様のところに伺い、何か問題はありませんか。使い勝手に関するご意見は…といった調査を兼ねた取材を行っています。印刷物を発注する企業に対しては、利用者の不便情報の開示と、その解決へ向けた新価値提案を行っています。最近ではこのような提案に興味や関心を寄せていただける企業が増えてきました。

この新価値提案の一つである「フレッシュプリント」を最初にご理解くださったお客様に、医療関連企業で国内のほとんどの病院に導入されているベッドメーカーさんがいらっしゃいます。当社が提案している無駄を出さない、作らないという考えに高い評価をいただいたことがきっかけです。

以前は、多く作ると1部あたりの単価が下がるとの考えで、1年分をまとめて作られていました。しかし、その単価が本当に提示されている単価で収まっているのか検証してみることを提案致しました。

例えば、1部単価100円で買った印刷物があったとします。しかし作った量の1割から2割を、掲載情報の陳腐化によって一度も使うことなく廃棄したとします。すると100円の単価が110円、120円となり買い求めた単価と実際の単価に差が生じてしまいます。この事実を認識し是正していただかないと、本当にお得な買い物をされたことにはなりません。そこで当社のフレッシュプリントがお役に立っているのです。このフレッシュプリントについてはまた後程ご説明申し上げます。