今日、様々な企業がその果たすべき社会的責任として、環境問題を重要視する傾向にあります。
印刷業界で「紙喰い虫」と呼ぶ業界があります。どことは申しませんが、大変市場規模の大きな業界です。日常的に紙を大量に使用し、且つ内容変更に伴い在庫している印刷物は総て廃棄しているため、このような呼ばれ方をされています。
例えばこのような業界に、環境に害を及ぼす仕組みを内包したまま、社会的責任を論じられても我々は納得することなど出来ません。こうした環境配慮と矛盾する動きは早急な改善が必要と考えます。大量の無駄を生み出し、社会に害を与える業界と誤解され、企業イメージを害しかねません。
そこで、印刷物には何故このような無駄が発生するのか真剣に考える必要があります。多くの場合、発注する側の発注数量を決定する際の不確定要素の多さと、受注する側の提案力不足からくる対応不全ということが上げられます。印刷物は見掛けはそのままでも、中身の情報は日々陳腐化しています。情報鮮度がなくなった多く作り過ぎた印刷物は使われることなく、そのほとんどが廃棄されてしまいます。
これには、現在の印刷業界の受注体制にも問題があると思います。多く作ることを求めるのではなく、その都度必要とする数を提供する無駄の出ない当社の提案が、その問題解決へ向けた糸口になればと願っています。
この社会と連動した全体最適が環境意識を変え、紙という大切な資源を有効に活用する正しい循環サイクルを構築できれば、紙喰い虫と呼ばれた業界も印刷業界も、環境に害をもたらす業界ではなく、環境を保護し保全する業界へと生まれ変われると信じています。