講演録第6弾「印刷の過当競争時代を生き抜く」

10.過当競争とはレベルの違うビジネスへ-3

今回皆さんに配布した資料の中に入っている薄紙で、弊社はこれまでにない新しいビジネスの領域を開拓しようと考えています。現在製紙メーカーさんが色の付いた紙を抄造しておりますが、色を変える度に違う染料でパルプを染めるわけですから、その都度多くの無駄が発生していることと思います。ならばパルプを染めて色紙を作るのではなく、印刷して作ることができないものか、現在製紙メーカーさんに提案し情報交換をしております。また売れ行きの悪い色紙は廃盤となりますが、その色がどうしても欲しいといったお客様がいることも事実のようです。弊社の仕組みを使って両面の薄紙印刷ができたら、リサイクル適正の高い色紙を作ることもできますし、小ロットの要望にも十分応えられる、これまでにはないまったく新しい市場が形成される可能性さえも見えてきます。

このような薄紙を印刷するために、印刷機械運用の基礎と基本技術はもとより利用技術を高めることに特化した結果、ここまでの薄紙を印刷することができました。これが現在弊社で「スーパーライトプリント」と呼んでいる商品です。

スーパーライトプリントで真っ先に考えた売り先はファッション業界でした。これはオンワード樫山様が採用された包材です。他にもたくさんのブランドをお持ちですので、更に多様な展開でお役立ていただけるよう、現在アプローチを継続しているところです。それとは別件で、製紙メーカー様や代理店様から様々な紙を持ち込んでいただき印刷テストを行っています。互いに手弁当で様々な検証を行っておりますので、まだ売り上げには直結しておりませんが、このような潜在需要に対するアプローチがビジネスチャンスへ結び付くのだと、今は、我慢と忍耐のしどころと考えています。このスーパーライトプリントで培った技術は通常の印刷にも当然応用することができます。