講演録第7弾「今 求められる未来への決断」

3.これからの印刷産業のめざすもの-3

弊社は、今でいう印刷通販の先駆けでした。その頃、全国から仕事を頂くにはどうしたら良いのだろうと考え、着手したのが小ロットカラー印刷専門のネット受注です。デジタル化が発展する中、ネットを介して頂いたデータを印刷できれば、全国を相手に色々な地域から仕事が頂戴できると考えました。当時、五泉市は 合併前で人口38,000人位の町で、今以上の仕事を集めることは難しいと思っていました。ならば、全国の都道府県から毎日1件ずつ仕事を集められる仕組 みとして考え、立ち上げたビジネスです。

当時8色機を導入しましたが、大量の印刷物を処理しようと考え導入した設備ではありません。小ロットカラーの印刷物を沢山集め、CTPでなるべく多く面付けをして、両面一気に印刷することを考えました。その当時の料金を見て、周囲の同業からはダンピングだと言われましたが、決してそのようなことはなく、プロセスカットや営業経費の削減で浮いたコストを、お客様に還元できたらと考えた、とてもシンプルな仕組みです。


残念ながら今の印刷通販の現状は、根拠の薄い価格だけが先行する、不毛な状況になっていると感じます。弊社もまだ事業を継続しておりますが、少しずつ仕組みを変え、これまでとは一線を画す路線へと、進路を変更する軌道修正を行っています。また一時廃止した営業も、今までとは違った視点でお客様にサービスす ることを目的に、語り部(かたりべ)として復活し今日に至っております。