講演録第7弾「今 求められる未来への決断」

12.印刷物に機能を持たせる-2

もし、こうした印刷の依頼が来たら、皆さんは受け入れることができますか。多くの印刷会社が先程の話と同様に、無理だ、できないと答えるのではありませんか。あれこれ考えても始まりません。できるかどうか、今直ぐにチャレンジしてみて下さい。何かサンプル的なデータを作って印刷されてみたらいかがでしょうか。その結果、見当がズレたら、それはどこかにそうなる原因が必ずあるのです。ローラーがうまく調整されていない、ブランケットがへたっている、水が多くて紙伸びしやすい等、マシンの整備状況や不備な部分が分かります。何かが違っているのです、どこかがズレているのです。その違いやズレをしっかりと見つけ出して改善しておかないと、これから求められる機能価値を売りとする印刷物を作ることなどできません。つまり、より精度の高い仕組みを作らない限り、営業は仕掛けられないということです。それを理解してチャレンジする体制が、社内に構築されているかどうかが、会社の未来を決定するとても重要なポイントだと思っています。この業界は分業体制がしっかりできていますから、自社でできなければ他に頼めば良いと外注で対応して来ました。しかし、誰もができる仕事にチャンスはないのです。皆がやってないからチャンスが生まれるのです。そうした可能性を皆さんが独自の視点で見つけ出し、新しい仕組みを作らねばなりません。自らがあえて苦労を重ねながら様々な投資をし、可能性を掴むためのチャレンジをして頂きたいと思います。