講演録第7弾「今 求められる未来への決断」

14.「難しい」を克服する技術開発-2

サンプルをご提供頂くメーカーさん等から、こうした薄紙の需要がどこにどれ程あるのかとよく聞かれますが、潜在需要の予測はできませんから分かりませんと答えるしかないのです。これまでにも様々なサンプルを作りましたが、需要そのものが本当にあるかどうかも分からないのです。

しかし、これができるという情報を世の中に配信したら必ず反応は現れます。薄紙検索で上位、極薄紙ではトップに表示されており、弊社ウェブサイトでは現在こんなこと、あんなことができるようになったといった情報を常に更新していますので、お問い合わせも徐々に増えつつあります。そのような中で良くお問い合わせを頂くのが、ブランドを立ち上げたいというお話です。大手のブランドメーカーさんは大量に作るために、輪転機を所有の印刷会社に依頼すれば良いのですが、そんなに多くは要らないといった需要が間違いなくあることが分かりました。

このサンプルは弊社オリジナルの包装紙として作ってみました。疑似特色による片面ベタ刷りのような印刷で、裏面には会社名を入れて両面印刷で行いました。この薄紙で両面印刷はかなり厄介なことですが、これが可能でしたので色紙そのものを作ることも可能と考えています。製紙メーカーさんは売れ行きの悪い紙は廃版にします。しかし、一度使われたお客様にとっては、この色の紙はとても大切な紙なのです。そこでこの色が欲しいと言われたら、両面印刷で色紙を作るといった需要もあるはずです。こうした潜在需要を探しながら、まだまだ印刷業界でやれることは沢山あると思っています。