概要
このページではIllustrator CS2でPDF保存したときに文字の縁取りが消えてしまう現象について説明しています。
問題が発生すると思われるバージョン
- Illustrator CS2
※Illustrator CS・Illustrator CS3ではこの問題は発生しませんでした。
問題の状況
Illustrator CS2で文字に縁取りをつけて、PDF1.3(Acrobat4.0)形式で保存すると、文字の縁取りが消えてPDF保存されてしまいます。なお、ドキュメント上に透明効果のあるオブジェクトが配置してあります。
問題の詳細
透明効果のあるオブジェクトはドキュメント上のどこの位置にあってもこの問題は発生します。透明効果のあるオブジェクトがアートボードのエリアから外れていても、この問題は発生します。
この問題はIllustrator CS2のバージョン12.0.0で発生することが確認されています。
この問題はIllustrator CSでは発生しません。
実例
Illustrator CS2で文字に縁取りをつけます。†1
文字にシアーツールで傾きをつけます。
以下のようになります。
このままPDF1.3(Acrobat4.0)形式†2で保存しても、縁取りは消えません。
Illustrator CS2で透明効果のあるオブジェクト(ここではドロップシャドウのあるオブジェクト)を作成します。
PDF1.3(Acrobat4.0)形式†3で保存すると、縁取りは消えます。
同じように乗算の効果のあるオブジェクトを作成します。
PDF1.3(Acrobat4.0)形式†4で保存すると、縁取りは消えます。
原因
Illustrator CS2の不具合(バグ)の可能性があります。
回避方法
以下のいずれかの方法で問題を回避できる場合があります。
a. PDF保存の前に、あらかじめアウトライン化の処理を行う。
文字をPDF保存前にアウトライン化することで回避できる場合があります。ただしアウトライン化すると縁取りの形状が若干変化しますのでご注意下さい。
アウトライン化した場合は、PDF1.3(Acrobat4.0)形式†5で保存しても、以下のように縁取りは残っています。
b. PDF保存の設定を変更し、アウトライン化がPDF保存時に行われるようにする。
PDF保存の設定を変えることで、PDF保存の時にアウトライン化の処理が行われるようにすることで問題を回避できる場合があります。
「Adobe PDFを保存」のダイアログで、「詳細設定」の項目を選択します。
「オーバープリントおよび透明の分割・統合オプション(PDF1.3のみ)」の「設定」の部分にある「カスタム」をクリックします。
「すべてのテキストをアウトラインに変換」にチェックを入れます。
「設定」が「カスタム」になりますが、そのままPDF保存します。
以上です。
補足
透明効果のあるオブジェクトが文字に掛かっている場合や透明の処理に影響がある場合は、文字がアウトライン化される関係で文字の縁取りは消えないようです。