このページではRGBからCMYKに変換する設定により印刷の仕上がりのカラーが変わる点について説明を掲載しています。
RGBカラーからCMYKカラーへの変換設定を誤ると印刷の仕上がり・品質に大きな影響を与えるのでご注意下さい。
このページは「[3018][Photoshop]RGBからCMYKに変換する設定による仕上がりカラーの違いについて(1)の続きです。
実例
「Japan Color 2001 Coated」と「GCR 墨版生成最大」のそれぞれのカラー設定で変換した画像を比べてみましょう。
▲ 「Japan Color 2001 Coated」のカラー設定で変換した画像
▲ 「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換した画像
▲ 「Japan Color 2001 Coated」のカラー設定で変換した画像
▲ 「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換した画像
この4つの画像を墨版(ブラック)を除いて見てみましょう。
チャンネルパレットの「ブラック」の目玉のマークをクリックし、空欄にします。
▲ チャンネルパレット
▲ チャンネルパレットで墨版(ブラック)以外を表示している例
「Japan Color 2001 Coated」のカラー設定で変換した画像は墨版を外しても背景のカーテンの部分や右腕の二の腕の部分に他のカラー(CMY)が入っていることがわかります。
▲ 「Japan Color 2001 Coated」のカラー設定で変換した画像
「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換した画像は墨版を外すと背景のカーテンの部分や右腕の二の腕の部分に他のカラー(CMY)がほとんど入っていないことがわかります。
▲ 「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換した画像
「Japan Color 2001 Coated」のカラー設定で変換した画像は墨版を外しても背景の暗闇の部分に他のカラー(CMY)が入っていることがわかります。
▲ 「Japan Color 2001 Coated」のカラー設定で変換した画像
「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換した画像は墨版を外しても背景の暗闇の部分に他のカラー(CMY)が入っていないことがわかります。
▲ 「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換した画像
これらの画像をAcrobatで開いて見比べてみると、同じ黒いでも濃い黒と普通の黒(薄い黒というわけではありません)があるのがわかります。この違いは印刷でもわかる形で表現される場合があります。
※以下の画像は多少黒の違いをわかりやすくするために、画像のカラーを強調しています。
印刷時には、以下の画像の「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換した画像では二の腕の部分の急激な色の変化に違和感を感じる場合があります。
▲ 「Japan Color 2001 Coated」のカラー設定で変換した画像
▲ 「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換した画像
印刷時には、以下の画像の「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換した画像では背景の暗闇が薄く感じる場合があります。
▲ 「Japan Color 2001 Coated」のカラー設定で変換した画像
▲ 「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換した画像
以上のように、RGBからCMYKへの変換ではカラー設定により、印刷時に意図しないバランスのCMYKに変換されてしまうことがあります。ご注意ください。
なお、「GCR 墨版生成最大」のカラー設定で変換がいつも悪い結果を生むわけではありません。スクリーンショットなどで、黒の文字が掛け合わせの色になって欲しくない場合などに使うと良い結果が出るのではないでしょうか。
※ただし、WindowsのClearTypeを使用している場合やMacOS Xのアピアランスの設定によっては、スクリーンショットの文字が掛け合わせになることがあります。