概要
このページではInDesignやIllustratorから直接PDFへ変換しようとすると「メモリ不足」というエラーが出て変換できない場合の対処方法について掲載しています。
状況
このページではInDesignやIllustratorから直接PDFへ変換しようとすると「メモリ不足」というエラーが出て変換できません。
InDesign・Illustratorドキュメントには画像が多く貼り込まれています。
原因
吉田印刷所が推奨するInDesign・IllustratorからのPDF変換の設定は、元のデータからデータをなるべく変化させない設定になっております。
このためInDesign・Illustratorドキュメントに貼り込まれている画像の解像度が印刷に適した解像度以上の解像度であっても、そのままの解像度でPDFに変換する設定になっています。(「ダウンサンプルしない」)
▲InDesign CS4のPDF変換設定(画像に関わる部分)
▲Illustrator CS4のPDF変換設定(画像に関わる部分)
InDesign・Illustratorドキュメントに貼り込まれている画像の点数が多い場合は、PDF変換時に画像データの処理に必要なメモリが非常に多くなり、結果として「メモリ不足」というエラーでPDF変換できない場合があります。
デジタルカメラで撮影したものを、色調補正を行い、そのまま貼り込んでデータ作成が完了したものはこのような状態になりがちです。
対処方法
対処方法は以下のものがあげられます。
- (a)PC/Macのメモリを増やす
- (b)ページごとの書き出しをやってみる(InDesign)
- (c)PDF変換時に画像をダウンサンプルする設定にしてみる
- (d)PS書き出しをしてみる
- (e)画像をすべて貼り込まれた実寸で印刷に適した解像度になるように保存し直す
対象方法(詳細)
(a)PC/Macのメモリを増やす
一番直接的な解決方法です。
メモリはできる限り多く搭載した方が通常の作業も快適になるのでお薦めします。
(b)ページごとの書き出しをやってみる(InDesign)
InDesignで複数ページの制作を行っている場合は、一度に全ページPDF変換しようとすると、処理の関係でメモリ不足になる場合があります。
少ないページごとに区切ってPDF変換を行う、または1ページずつPDF変換を行うことでメモリ不足の問題を回避することができる場合があります。
(c)PDF変換時に画像をダウンサンプルする設定にしてみる
InDesign・IllustratorからPDF変換を行う際の設定の「圧縮」の項目を開きます。
「カラー画像」「グレースケール画像」の項目の解像度の調整を「ダウンサンプル(バイキュービック)」「350~400ppi」に変更します。
▲InDesign CS4のPDF変換設定(画像に関わる部分)
▲Illustrator CS4のPDF変換設定(画像に関わる部分)
この設定により過剰に高い解像度の画像を印刷に適した解像度の画像に変換します。解像度変換前より画像処理に必要なメモリ量が減るため、結果としてメモリ不足の問題を回避することができる場合があります。
(d)PS書き出しをしてみる
InDesign・Illustratorから直接PDFに変換できない場合は、一度PSファイルに書き出して、Acrobat DistillerにてPSファイルを変換するとPDF変換できる場合があります。
(e)画像をすべて貼り込まれた実寸で印刷に適した解像度になるように保存し直す
Photoshopでリンクされた画像ファイルを開き、貼り込まれた状態のサイズでの実寸の解像度が350~400dpiになるように変換を行い、再リンクを行います。この処理を行うことで、PDF変換時に必要なメモリ量が減り、結果としてメモリ不足の問題を回避することができる場合があります。