Illustratorのカラーモードを変更すると透明効果の描画モードを使用したデータが意図しない状態になる

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Illustratorのカラーモードを変更すると透明効果の描画モードを使用したデータが意図しない状態になる
目次
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概要

このページではIllustratorのドキュメントのカラーモードを変更した際に、透明効果を利用したオブジェクトのカラーが大きく変化することについて説明しています。


具体的な状況としては、始めに「RGBカラー」でデータを作成し、最後に印刷入稿用に「CMYKカラー」へカラーモードを変更する、というものが挙げられます。

カラーが大きく変わる例

Illustratorのドキュメントのカラーモードを「RGBカラー」にして新規ドキュメントを作成します。


円のオブジェクトにグレースケールの黒から白への円形グラデーションを適用します。(塗りは以下の画像のような感じになります)

※円形グラデーションのカラーを「RGBの黒から白」と表記していましたが、正しくは「グレースケールの黒から白」です。ご指摘ありがとうございました。(2023/05/23追記)


Illustratorの透明効果について


このオブジェクトに「透明」パネル(パレット)にある「描画モード」の設定を行います。

Illustratorの透明効果について


以下の様に下にカラーを入れたものを配置します。

各円のオブジェクトの描画モードは左から「乗算」「焼き込みカラー」「スクリーン」「覆い焼カラー」「オーバーレイ」です。

Illustratorの透明効果について


メニューから「ファイル」→「ドキュメントのカラーモード」→「RGBカラー」となっているところを、印刷用のカラーに変更しようと「CMYKカラー」に変更します。

Illustratorの透明効果について


以下の様になり、「乗算」以外は正常に表現されていません。

Illustratorの透明効果について

RGBの黒と白のグラデーションの例

黒から白のグラデーションのカラーをグレースケールではなく、RGBの黒から白にしてRGBカラーからCMYKカラーに変更した例も紹介します。

以下のように「スクリーン」「覆い焼きカラー」の変化が大きくなります。

20230523-ai-rgb-transparent-effect-RGB.png

RGBカラーモード

20230523-ai-rgb-transparent-effect-CMYK.png

CMYKカラーモード


比較用に切り替え動画(アニメーション)も作ってみました。

カラーモードの変更による変化に気をつけましょう

このようなRGBカラーとCMYKカラーでの表現の違いがあるため、ドキュメントのカラーモードが「RGBカラー」になっている状態から、安易に「CMYKカラー」に変更することはお薦めできません。

変更する際は細心の注意を払って作業を行ってください。


この問題はIllustrator 10・Illustrator CS~CS6・Illustrator CCで確認されました。

検証用データのダウンロード

検証用データをご用意しました。以下のリンクからダウンロードできます。Illustrator CS2形式とIllustratorCC形式です。


RGBカラーモードで透明効果を使用したIllustratorファイル