Adobe TechNoteのまとめをしていて気がついたのですが、今までAdobe Readerは有料のAcrobatの機能削減版というイメージで提供されていた様に思います。
しかしこの度リリースされたAdobe ReaderはAcrobatにはない「保護モード」という機能が追加されていました。この機能はAcrobatを持っているユーザーでも、PDFファイルに対するセキュリティを重視する場合に便利な機能かもしれません。
Adobe Reader Xの「保護モード」はPDFで既に用意されている機能を悪用し、PDFファイルを開いた人のコンピューターを攻撃することを緩和・減少するために、PDFを特別に用意された管理されたエリアで開く様に設計された機能です。
合わせて、PDFファイルを開く標準のアプリケーションの選択もできるようになっており、AcrobatとAdobe Readerをインストールしておいて、普段はAdobe Readerで開き、用途に応じてAcrobatで開くことも可能になったようです。
今まではAcrobatとAdobe Readerをインストールしてあって、PDFを開くアプリケーションを例えばAdobe Readerに設定してあってもAcrobatが起動しているとPDFをAcrobatで開いてしまう問題がありました(=AcrobatではなくAdobe Readerで開くときはAcrobatを終了させていなければならなかった)。
今回のバージョンアップでこの問題が解消したので、ダブルクリックしたために悪意のあるPDFファイルによる攻撃を受けづらくなりました(PDFファイルを標準で開くアプリケーションをAdobe Reader Xにした場合)。
PDFには様々な機能がありますが、その機能をあまり使わない環境(通常の閲覧など)であれば、PDFを開く標準のアプリケーションをAdobe Reader Xに設定しておくことで、PDFファイルをより安全に開くことができますので、セキュリティを重視するのであればAdobe Reader Xをインストールしておく価値があると思います。
Adobe Reader X の保護モードは、セキュリティ脆弱性緩和を目的としています。保護モードは Adobe Reader X のみの機能です。Acrobat X にはより多くの機能が組み込まれていますが、Adobe Reader X ではセキュリティ性に重点をおいて開発されています。このため、ユーザーは用途により PDF ファイルを開くアプリケーションを、Acrobat X または Adobe Reader X に切り替えて使用できます。
Adobe Reader X インストール時に Acrobat がインストールされている場合のデフォルトアプリケーション設定について
保護モードはReader Xの新機能で、サンドボックス化された分離アプリケーションインスタンスでPDFファイルを開きます。このモードにより、PDFファイルに含まれている可能性のある悪意のあるコードからコンピューターとデータが保護されます。保護モードはデフォルトで有効になっており、これにより完全な機能を備えた堅牢なPDFを安全に操作できます。
Adobe Reader X | FAQ