弊社のネット印刷サービス「トクプレ.」にご入稿されているデータのデザインで気になる点が結構見受けられるので紹介します。
それは「括弧(かっこ)の開きと閉じの文字のデザインが異なっている」というものです。特にWordで制作されている場合によく見受けられます。
これは意識をして編集作業をしないとわからないかもしれませんが、どのように違うかを解説します。
(ウェブの文章などでもこのような事例は多く見受けられるのでご注意下さい)
実例
以下の3つの例をご覧下さい。何が違うかわかりますか?
答えは「吉田印刷所 http://www.ddc.co.jp」をくくっている括弧の形が違います。
特に2行目の例が問題です。
2行目のものは先頭部分の開きが全角の丸括弧で、末尾の閉じが半角の丸括弧になっていて、括弧の開きと閉じが一致していません。
これはデザイン的にあまりよろしくありません。
最初の例の1行目の末尾の閉じの括弧は全角の「)」でフォントは「MS明朝」です。
最初の例の2行目の末尾の閉じの括弧は半角の「)」でフォントは「Century」です。
なぜ全角と半角でこのように「MS明朝」と「Century」になっているかというと、Wordでは標準的な本文の文字スタイルが以下の様になっているためです。
- 全角文字:MS明朝
- 半角文字:Century
このため全角と半角でフォントが異なり、結果として文字のデザインの統一感・安定感が出ない状態になってしまいます。
全角と半角の丸括弧を比べてみる
全角と半角の丸括弧を比べてみましょう。ここではWordでは標準的な本文の文字スタイルに準拠して全角を「MS明朝」、半角を「Century」としてあります。
同じ文字サイズのものを並べて入力してみました。
並びを変えてみると全角と半角の丸括弧を組み合わせると高さなどがずれていることがわかるかと思います。
もちろん括弧の太さも違いますので、このように誤った組み合わせはデザイン的に問題があります。
文字と組み合わせた場合を比べてみる
文字と組み合わせた場合の例を見てみましょう。(先ほどと同じく全角を「MS明朝」、半角を「Century」としてあります)
- A:全角の丸括弧+日本語
- B:半角の丸括弧+日本語
- C:全角の丸括弧+英数字
- D:半角の丸括弧+英数字
こうしてみてみると、Aはもちろん問題はありませんが(※)、Bは丸括弧が挟まれている文字より少し上の方にずれている様に感じます。
C・Dは実際には丸括弧の位置が異なりますが、特に大きな問題を感じることはありません。
このように日本語の文章を括弧でくくる場合は全角の括弧でくくった方がデザイン的にも問題ないものになります。
括弧の開きと閉じが全角・半角と異なっていることは問題ですが、開きと閉じで合致していても気をつけなければならない点がありますのでご注意頂ければと思います。
※文字詰めの件は今回問題としておりません。
1行目の末尾の閉じの括弧は全角の「)」でフォントは「MS明朝」です。