概要
InDesignで文字に対してオブジェクト効果(以下の画像参照)を適用したときに、文字の属性やテキストフレームの状態によっては、PDF/X-4形式で保存すると、オブジェクト効果が消えることがあります。
こちらの記事は以下のツイートを元に作成しています。
InDesignCS6/CC上でオブジェクトに内側にかかる効果とオブジェクトの傾斜を適用、X4書き出しすると、効果が消えるって既出ですか?? http://t.co/vXew4or1lJ
— モリオ (@moriwaty) 2013, 7月 22
※データ掲載にあたって許諾を頂いております。
実例・詳細
InDesignで以下のデータを作成します。
オブジェクト効果をそれぞれ「ドロップシャドウ」「シャドウ(内側)」「光彩(外側)」「光彩(内側)」「ベベルとエンボス」「サテン」を適用しています。
文字は「なにもしていない」「テキストフレームをシアーツールで変形」「文字パネルの歪みで変形」をしています。
作成はInDesign CCで行いました。
このデータをPDF/X-4で保存します。
すると「シャドウ(内側)」「光彩(内側)」「ベベルとエンボス」「サテン」で「テキストフレームをシアーツールで変形」したもののオブジェクト効果がなくなっています。
「ベベルとエンボス」では位置がずれて適用されているようです。
この問題はInDesign CS6・InDesign CC・InDesign CC 2015・InDesign CC 2017で発生するようです。(他のバージョンでは検証していません)
【解決】
InDesign CC 2018にて、この問題が解決していることを確認しました。
InDesign CC 2018のリリースノートの以下の記載がこの問題の修正と考えられます。
PDF への書き出し中に、変形のある透明効果が失敗する。
InDesign CC 2018 年 3 月(13.1)リリース日本語リリースノート(Adobe)
解決方法
PDF/X-4で保存する場合の解決方法はありません。
PDF/X-1aで保存すると正常に保存されるようです。
検証用データダウンロード
実際に試せるようにデータを用意しました。
データ形式はInDesign CCの.inddファイルと、InDesign CCから書き出した.idmlファイルです。
情報提供
2018だと問題なさげ(検証用データのidmlを読み込んでPDFx4
— やも🐸アブラのレタッチ鰤☆ゲコリノフ (@yamo74) 2018年6月26日
追試完了(win10)2015・2017ともにNGでした。2018はやもさんんのおっしゃるように正常表示、綺麗に描けてます。最近直ったんだなー。
— モリオ (@moriwaty) 2018年6月26日
— モリオ (@moriwaty) 2018年6月26日
こんな感じよ。検証環境はWindows10でござる。pic.twitter.com/BzBlRVpmwp
情報提供をいただきありがとうございました。
追記:InDesign CC 2018で解決(2018/08/22)
InDesign CC 2018ではこの問題が解決していることを確認しましたので、その旨を追記しました。