はじめに
Acrobat DCを使って、PDFファイルのサイズを小さくする(ファイルサイズを軽くする)方法を紹介します。
印刷用のPDFから、画面で閲覧するタイプのPDFへ変換します。
PDFのファイルサイズを小さくするポイントは以下の3点です。
- カラー変換
- 画像の解像度の調整
- 不要なデータの削除
PDFのファイルサイズを縮小する手順
ファイルサイズは約23Mバイトの印刷用PDFファイルを用意しました。
CMYKカラーからRGBカラーへの変換
タブの「ツール」をクリックし、「印刷工程」のアイコンをクリックします。
横に表示されるメニューの「色を置換」をクリックします。
「色の置換」のダイアログの出力インテントの項目の「カラーを出力インテントに変換」にチェックを付け、プロファイルを「Adobe RGB(1998)」を選択して、「OK」をクリックします。
するとカラーがすべてRGBカラーへ変換されます。
この状態で名前を付けて保存すると、ファイルサイズが17Mバイトになっており、26Mバイトから24%縮小したことが確認できます。
メニューの「ファイル」→「その他の形式で保存」→「最適化されたPDF」を選択します。
「PDFの最適化」のダイアログが表示されたら、右上にある「互換性を確保」を「Acrobat 7.0 およびそれ以降」にします。
画像の解像度の調整
「PDFの最適化」のダイアログで「画像」の項目を選択し、画像の設定を以下の様に設定します。
不要なデータの削除
「オブジェクトを破棄」の項目を選択し、項目すべてにチェックを入れます。
「ユーザーデータを破棄」の項目を選択し、項目すべてにチェックを入れます。
「最適化」の項目を選択し、以下の画像の様に設定して、「OK」をクリックします。
このPDFの最適化を行うとPDFのファイルサイズは2Mバイトまで縮小されました。最初の23Mバイトと比べると、ファイルサイズは90%も減少しています。
画面上での比較
元の印刷用PDFとファイルサイズを縮小したPDFとで画面上でどの程度見え方が違うのかを比較してみます。
それぞれのファイルをAcrobatで100%表示して並べてみます。
ドロップシャドウの表現や文章の文字の部分で表現の違いはありますが、画面上で見る用途であれば大きな問題にはならないのではないでしょうか。
ファイルサイズを縮小するにあたっての注意点
この手順では以下の注意点があります
- RGBカラーへ変換した際にオブジェクトの効果が消えてしまうことがあります。
- 画像の解像度を調整した際に画像が意図しない状態へ崩れてしまうことがあります。
- 画像の解像度などは、画像の内容によっては画像の意図が読み取れなくなる場合もあります。その際には適切な解像度へ設定して変換してください。
- 検索用の情報やしおりデータなどを削除するため、アクセシビリティが低下するおそれがあります。
また、変換元のPDFはできる限りPDF/X-1aではなく、PDF/X-4などの透明効果が残っているPDFデータの方がファイルサイズが小さくなる傾向にあります。