概要
Illustratorでは、Illustrator CS5から選択したオブジェクトの内側に描画する機能「内側描画モード」があります。
「内側描画モード」の機能を使うことで、クリッピングマスクなどを使わなくても、オブジェクトの内側に他のオブジェクトを配置できて便利です。
内側描画モード
内側描画モードを使用すると、選択したオブジェクトの内側に描画できます。内側描画では、描画、スタック順序の変更、選択、クリッピングマスクなどの多くのタスクをおこなう必要がありません。
Illustrator で描画を開始する方法
しかし、この内側描画モードをアウトライン化されていない文字列(テキスト)に使用すると、文字の形状が崩れてしまいます。
この現象について紹介しています。
フォントの形状が崩れる現象について
例として以下のようにテキストを入力します。(わかりやすくするためにテキストにカラーを付けていますが、実際は透明です)
テキストオブジェクトを選択して、ツールバーから「内側描画モード」を選択します。
テキストオブジェクトの内側に赤色の長方形を配置します。
テキストオブジェクトのフォントの形状が崩れます。
元のテキストオブジェクトと重ねてみると、以下のような形状の違いが発生します。(黒い部分が一致する部分、それ以外が一致しない部分)
原因
原因は不明ですが、フォントに対しての内側描画モードの精度が低いために、このような問題が発生していると考えられます。
このためフォントのサイズによってズレの大きさが変わります。フォントサイズが大きいとズレが小さくなります。
フォントサイズを変えたサンプルを作ってみました。
解決方法の例
テキストオブジェクトをアピアランスでアウトライン化することで回避できます。
テキストオブジェクトのアピアランスで文字を選択します。
アピアランスのフィルターから「パス」→「オブジェクトのアウトライン」を適用します。
テキストオブジェクトが正常な形状に戻りました。
※テキストオブジェクトが内部でアウトライン化されていれば良いので、アピアランスの「ワープ:円弧」などで数値をすべて0にしても同様の効果が得られます。
サンプルデータのダウンロード
今回のIllustratorデータのダウンロードはこちら。Illustrator CC形式です。
関連ツイート
フォントの文字色を一部変えようと内部描画でボックスで覆ったら表示がずれるこの原理なぁに。。 #Illustrator pic.twitter.com/Kfuo34ynCo
— 宇都宮(テトリスト) (@Uya_Fritillaria) 2018年4月4日
理由は分からないけど、ワープ(効果はなんでもいいけど数値は0)を上に入れると直ります(正確はどうかは不明だけど)…なんでだろw pic.twitter.com/RB2Zx3kQLy
— 樋口泰行 (@higuchidesign) 2017年4月4日
関連情報・参考資料
- Illustrator で描画を開始する方法(Adobe)