Illustratorで2階調のEPS画像ファイルを埋め込んでグレースケールにカラー変換すると階調が反転する

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Illustratorで2階調のEPS画像ファイルを埋め込んでグレースケールにカラー変換すると階調が反転する
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概要

Photoshopで作成した2階調のEPSファイルをIllustratorで配置し、そのリンク画像を埋め込んだ後にグレースケールにカラー変換すると階調が反転します。

画像の階調が反転する例

Photoshopで以下のような2階調の画像を用意します。

20190808-white-black-data-convert-gray-scale-error-04.png

20190808-white-black-data-convert-gray-scale-error-06.png


Photoshop EPS形式(以下EPS形式)とPhotoshop形式で保存します。

EPS形式では、今回「白色部分を透明として扱う」にチェックを入れます。

20190808-white-black-data-convert-gray-scale-error-05.png


IllustratorEPS形式・Photoshop形式の2つの画像を配置し、画像を埋め込みます。

面には黄緑色の塗りの長方形オブジェクトを配置しました。※透明になっているかがわかりやすいように

20190808-white-black-data-convert-gray-scale-error-08.png


すべてのオブジェクトを選択し、メニューから「編集」→「カラーを編集」→「グレースケールに変換」を選択します。

20190808-white-black-data-convert-gray-scale-error-09.png


EPS形式の画像を埋め込んだ部分の階調が反転します。白黒が反転している状態になってしまいます。

Photoshop形式の画像を埋め込んだ部分は階調が反転していません。

20190808-white-black-data-convert-gray-scale-error-10.png


この画像の階調が反転する問題は「白色部分を透明として扱う」にチェックを入れる、入れないに関わらず発生します。


解決方法

EPS形式の画像を選択し、メニューから「オブジェクト」→「ラスタライズ」を選択し、適切な解像度で「グレースケール」画像に変換しておけば、この問題を回避できます。

しかし、2階調の画像をグレースケール変換する必要性はそもそもありません。


モノクロの印刷用データを作成する時に、不用意にオブジェクトをまとめて選択して、グレースケールへ変換することはやめましょう。


補足:Photoshop形式でも問題あり

すべてのオブジェクトをまとめてグレースケールに変換した場合のPhotoshop形式は問題がないように見えますが、透明の扱いになっていた部分が不透明になっています。

結果としてEPS形式・Photoshop形式どちらの形式であってもグレースケール変換には問題があります。

20190808-white-black-data-convert-gray-scale-error-11.png


今回の例のデータをダウンロード

今回の例を実際のファイルで試せるようにダウンロードファイルを用意しました。

ファイルはIllustrator 23.0.6、Photoshop 20.0.6で作成しています。

  Illustratorファイル ダウンロード