
概要
このページでは、Word・Excel・PowerPointファイルに貼り込まれている画像を画像ファイルとして取り出す方法を説明しています。
DTPの原稿としてWord・Excel・PowerPointファイルがお客さまから支給されることがあります。
その際に、Wordなどに貼り込まれている画像の元ファイルをお客さまよりいただけるのであれば、最も画質が高い状態の画像が得られますが、スケジュールや作業進行の都合上、いただけない場合もあります。
その際に、Word・Excel・PowerPointファイルから簡単に貼り込んである画像を取り出せたら作業を進めることができるかもしれません。その際にお役立ていただければうれしいです。
※画面はWindows 11です。
【事前準備】7-Zipをインストールする
今回の作業を行う前に、7-Zipというファイルを圧縮・展開するためのアプリをインストールします。

フリーウェアでビジネスでも使用できます。
以下のリンクからダウンロードしてインストールを完了してください。
今回使用するWordファイル
Wordファイルのサンプルを作成しました。
画像はそれぞれ以下の設定を行っています。
- 画像を「挿入」メニューで貼り付けてサイズを変えていないもの(A)
- (A)の画像を縮小したもの
- (A)の画像を縮小して「図の形式」の調整→「アート効果」を適用したもの
- (A)の画像を縮小して「図の形式」の調整→「色」を適用したもの
- (A)の画像を縮小して「図の形式」の調整→「透明度」を適用したもの
- (A)の画像を縮小して「図の形式」の調整→「修正」を適用したもの

Word・Excel・PowerPointファイルを7-Zipで展開する
7-ZipのアプリはZIPファイルなどの圧縮ファイルを展開することに使えますが、Word・Excel・PowerPointファイルの展開にも使用できます。
Word・Excel・PowerPointファイルの展開とはどういう意味?と思われるかもしれませんが、拡張子がdocx・xlsx・pptxのWord・Excel・PowerPointファイルはZIPファイルみたいなものなのです。このため、7-Zipで展開できるというわけです。
それではWordファイルの展開の手順を紹介します。Excel・PowerPointファイルでも手順は同じです。
Wordファイルを右クリックします。
ここに7-Zipのメニューが出ていなければ、「その他のオプションを確認」をクリックします。

次に「7-Zip」→「"(Word・Excel・PowerPointファイルのファイル名)¥"に展開」を選択します。

すると、Word・Excel・PowerPointファイルのあるフォルダーに「Word・Excel・PowerPointファイルのファイル名」が付いたフォルダができます。

貼り込まれた画像ファイルを見つける
貼り込まれた画像はこのフォルダの中の2階層入った所に保存されています。
先ほどの展開したフォルダを開くと以下のフォルダやファイルが見えますが、ここでは「word」フォルダを開きます。

なお、Word・Excel・PowerPointファイルによってフォルダの名前は変わります。
- Wordファイル:word
- Excelファイル:xl
- PowerPointファイル:ppt
次に「media」フォルダを開きます。

mediaフォルダにWordファイルに貼り込まれている画像が抽出されて入っています。
こちらのファイルをDTPの原稿で使うとよいでしょう。(※最初にも説明しましたが、お客さまから元の画像ファイルをもらった方が品質が一番高くなります)

mediaフォルダに抽出されている画像ファイルの注意点
mediaフォルダに抽出された画像はそのまま使えない(使いづらい)場合があります。
画像が粗くなる(ピクセル数が減少する)
検証の段階では、Wordファイルでは、画像のサイズを変えなくても、抽出された画像が粗くなっています(ピクセル数が減少)。
今回の例では1200×1200ピクセルの画像が880×880ピクセルに変更されていました。縮小した画像はさらにピクセル数が少なくなっています。
ただし、PowerPointファイルから抽出された画像のピクセル数は、元のピクセル数と同じ1200×1200ピクセルなので、必ずしも粗くなるわけではないようです。
画像に「図の形式」の調整が適用されない
DTP作業をする上では、Word上で画像に加工がされたものがそのまま画像ファイルとして保存してもらいたいですが、Wordファイルからの画像抽出の検証の段階では、以下の結果でした。
- (A)の画像を縮小して「図の形式」の調整→「アート効果」を適用したもの → ○
- (A)の画像を縮小して「図の形式」の調整→「色」を適用したもの → ×
- (A)の画像を縮小して「図の形式」の調整→「透明度」を適用したもの → ×
- (A)の画像を縮小して「図の形式」の調整→「修正」を適用したもの → ○
以下の画像は抽出された画像のスクリーンショットですが、見た目で適用されていないことがわかります。

また、画像の抽出結果はExcel・PowerPointファイルでは結果が異なっており、Officeのアプリ上で加工された画像をそのまま画像ファイルとして獲得することは期待しない方が良いでしょう。
補足:拡張子を変える手法との違いについて
このページで紹介した手順はWordファイルなどの拡張子をzipに変更して、ファイルを展開するという手法を、7-Zipアプリを使うことでより簡素化したものです。抽出される画像ファイルはどちらの手法でも同じです。
検証用ファイルのダウンロード
検証できるようにWord・Excel・PowerPointファイルと貼り込んでいる画像ファイルを用意しました。
以下のボタンからダウンロードできます。