印刷用途のAcrobat・Acrobat Readerの環境設定

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印刷用途のAcrobat・Acrobat Readerの環境設定
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概要

このページでは、AcrobatAcrobat Reader(以下Acrobat)で印刷用のPDFを確認するための設定を解説しています。

Acrobatでは環境設定に印刷向けの設定があります。印刷用のPDFを確認するために設定をしておきましょう。

環境設定を開く

Acrobatの環境設定を開く方法はOSやUIにより異なります。

macOSでは、Acrobatのメニューの「Acrobat」(ソフトウェア名)→「環境設定」を選択します。

Mac版のAcrobatの画面
Mac版のAcrobatの画面

(2024年12月現在)Windowsの新しいAcrobatの場合、「≡メニュー」→「環境設定」を選択します。従来のAcrobatの場合、メニューの「編集」→「環境設定」を選択します。

※Windows版の画面はAcrobat Proバージョン2024.002.20991です。

Windows版新しいUIのAcrobatの画面
Windows版新しいUIのAcrobatの画面
Windows版従来のAcrobatの画面
Windows版従来のAcrobatの画面

ページ表示の設定を行う

左側の項目から「ページ表示」を選択して以下の設定を行い、「OK」をクリックします。

レンダリング

  • ラインアートのスムージング:チェックをつけます
  • 画像のスムージング:チェックをつけます

ページコンテンツと情報

ページ表示の設定
ページ表示の設定

解説

レンダリングの項目のラインアートや画像のスムージングの設定は任意ですが、スムージングを設定しない場合、データを確認する環境や人によっては印刷する品質に達していない解像度に見えることもあります。

ページのコンテンツと情報の項目の「アートサイズ、仕上がりサイズ、裁ち落としサイズを表示」にチェックを入れることで、Acrobat上で裁ち落としが正しく設定されているかがわかりやすくなります。

また「オーバープリントプレビューを使用」を「自動」または「常時」とすることで、PDF/Xに準拠していないファイルを含め、オーバープリントを含むすべてのファイルのオーバープリントを再現します。

「自動」に設定すると、文書にオーバープリントが含まれる場合に、オーバープリントプレビューモードがアクティブになります。

PDF の表示と表示に関する環境設定、Adobe Acrobat(Adobe)

Acrobatの表示の実例

上記の設定を行った場合の実際の例を見てみましょう。

Illustratorの画面で以下のようなデザインデータを作成したとします。

Illustratorで作成したデータ
Illustratorで作成したデータ

IllustratorからPDFに書き出してAcrobatで開くと、以下のように緑の線と青の線が表示されます。

緑の線は「仕上がりサイズ」(仕上がり位置)、青の線は裁ち落としサイズを示しています。よく見ると左上の帯の右端の塗り足しが微妙に足りていないことがわかります。

なお、この線はAcrobat上だけで表示されているだけで印刷されません。

AcrobatでPDFを開くと緑の線と青の線が表示されている
AcrobatPDFを開くと緑の線と青の線が表示されている

わかりやすくするために、空白のデザインのPDFを開くと、以下のように見えます。

空白のデザインのPDFをAcrobatで表示した例
空白のデザインのPDFAcrobatで表示した例

裁ち落としサイズは、IllustratorInDesignではドキュメント設定の中にある裁ち落としサイズが基本になります。※PDFを書き出す際にも裁ち落としサイズを設定できます。

裁ち落としサイズの設定(Illustrator)
裁ち落としサイズの設定(Illustrator

このPDFは左上の帯のカラーがオーバープリントになっていて、オーバープリントの設定が「適用しない」になっていると、印刷に適した表示になりません。オーバープリントの設定は「自動」または「常時」に設定しましょう。

オーバープリントの設定による表示の違い
オーバープリントの設定による表示の違い