Illustrator入稿のエラーでよくあるエラーを3回に分けて紹介します。
Illustrator固有の問題ではないエラーも含まれていますが、Illustratorで制作する上で注意したい点としてご覧下さい。
エラーといっても意外に単純なエラーが多いものです。エラーに気を付けて安全な出力ができるデータを目指していきましょう。
◆[1]トンボが「オブジェクト」→「トンボ」→「作成」で作られている
トンボの作成を「オブジェクト」→「トンボ」→「作成」で作ったままの状態のものです。
これはかなり昔からいわれているエラーのひとつです。オブジェクトのトンボは、印刷データとしては不適切なトンボです。必ず「フィルタ」→「トリムマーク」でトンボを作成してください。
●[2010]トリムマーク(トンボ)の作成方法
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2010.html
※「オブジェクト」の「トンボ」については電通の「雑誌デジタル送稿」にも問題があると記載されております。
●雑誌デジタル送稿 データ制作マニュアル[PDFファイル]
http://www.dex-info.com/pdf/manual412.pdf
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◆[2]バージョン違いの保存
Illustrator9で制作をしてIllustrator8形式で保存する、Illustrator8で制作してIllustrator5/5.5形式で保存するなどのいわゆるバージョンダウン保存の状態のものです。
特にIllustrator9以降はドロップシャドウや半透明などの透明効果の機能があり、Illustrator8形式に保存した場合にデータが思わぬ状態になって保存される場合があります。バージョンを変更しての保存は印刷結果に問題を発生させる場合がありますので行わないでください。
●[2016]バージョンを落として保存したら出力エラーになった
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2016.html
●[2027]Illustrator9・Illustrator10・Illustrator CSで下位バージョン形式で保存したら画像のサイズが変更された
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2027.html
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◆[3]パスの線にカラーが入っていなくて塗りにカラーが入っている
直線のように見えるのですが、パスの塗りにだけカラーが入っていて、線のカラーは入っていない状態のものです。
線にカラーがないため「線幅」がありません。
このため極細線と同じ扱いとなり、印刷ではほとんど見えない仕上がりになります。
●[2017]印刷で罫線がかすれていた/パスの塗りに注意
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2017.html
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◆[4]線が細すぎる
レイアウトソフト(Illustrator・QuarkXPress・InDesignなど)の縮小によって、元々は0.3pt程度の太さの線が0.1ptなどの細い太さの線になっている状態です。
特にベタ塗り(100%)ではないカラーの線幅は0.3pt以上をおすすめしております。
●[2005]印刷で罫線がかすれていた/細すぎる罫線に注意
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2005.html
[次号に続く]