Illustrator入稿のエラーでよくあるエラーを3回に分けて紹介します。今回はその3回目です。
Illustrator固有の問題ではないエラーも含まれていますが、Illustratorで制作する上で注意したい点としてご覧下さい。
エラーといっても意外に単純なエラーが多いものです。エラーに気を付けて安全な出力ができるデータを目指していきましょう。
◆[9]書類設定のエラー(非常に重要)
Illustrator9以降ではドロップシャドウや乗算処理などの透明効果というPhotoshopで行っていたような作業もIllustratorで行うことが可能になりました。
PSプリンタ、いわゆるPostScriptプリンタの言語であるPostScriptには透明という概念はありませんので、IllustratorがプリントアウトしたりEPSファイルを作成したりする際には、透明効果を他の形に置き換える処理をしなくてはいけません。
基本的にはラスタライズ(画像化)されるのですが、このラスタライズにあたって設定を誤ると透明効果が思わぬ形として出力される場合があります。
●[2034]Illustrator9でEPS保存する時の書類設定や注意点について
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2034.html
●[2035]Illustrator10でEPS保存する時の書類設定や注意点について
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2035.html
●[2036]Illustrator CSでEPS保存する時の書類設定や注意点について
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2036.html
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◆[10]埋め込む指定のある画像が埋め込んでいない
Illustrator9以降にある透明効果はIllustrator側で様々な処理を行うため、画像をリンク形式ではなく、埋め込み形式(Illustratorに取り込まれた形)にしないといけない場合があります。(作業手順に関しては上記項目「[9]書類設定のエラー」の参考ページをご覧下さい)
この場合に指定された画像を埋め込まないと、プリントアウト時やEPS書き出し時に画像が抜け落ちてしまう問題が発生することがあります。必ず画像埋め込みの指示のあるファイルは埋め込むようにしてください。
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◆[11]マスクで使用しているパスにカラーを使用した
画像をトリミングするときにパスを使用してクリッピングマスクなどでトリミングをする場合があるかと思います。
このクリッピングマスクを作成するときに使用したパスにカラーを付けてあると、PSプリンタなどに出力した時にそのパスの太さが細くなったり太くなったり、また破線になったりする現象が発生します。(RIPによって出力のされ方は異なります)
こうした問題があるため、クリッピングマスクのパスにはカラーを付けないようにお願いいたします。
●[2015]マスクのパスにカラーを付けたらパスが変化した
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2015.html
◆[12]トンボのサイズが仕上がりとちょっと違う
Illustratorのトンボをフィルタで作成するときに、トンボ作成の基準となるボックスの線にカラーが入っている(線幅が付いている)と、できあがるトンボのサイズが意図したサイズと異なってできあがります。わかりやすい極端な例も掲載しましたのでご覧下さい。
●[2010]トリムマーク(トンボ)の作成方法
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2010.html
●[2040]Illustratorでトンボを作成するときにベースとなる
ボックスの図形の線に注意してください
http://www.ddc.co.jp/yoshida/dtp/illustrator/html/2040.html
[おわり]