■目次
■Illustratorの保存がイライラするくらい遅くないですか?
みなさんはIllustratorでデザインや制作を行っている時に、何か保存が遅くてイライラしたことはありませんか?
Illustrator 8で以前作ったデータをIllustrator CCなどで開いて、色々編集をした後に保存をしたらIllustrator 8で保存したときよりも妙に遅くて「新しいバージョンで新しいマシンなのになぜ??」などと思ったことはないでしょうか。
他にも、基本的にパスだけで書いてあるイラストの保存に随分時間が掛かったり、「配置した画像を含む」にチェックをつけて保存していないのに、何かよくわからないけどファイルサイズが大きい…ということもありませんか?
この保存時間やファイルサイズの問題は、Illustrator形式で保存する時に「たったひとつのチェックボックス」を操作するだけで劇的に減らすことができます!
■普通にIllustratorファイルを保存する方法
普通にIllustratorファイルを保存する方法を確認してみましょう。
A1サイズのポスターを作るとして、A1サイズに合わせた解像度の画像を用意します。保存形式はPhotoshop形式(PSD形式)で保存します。
Illustratorに画像をリンク形式で配置します。
Illustrator形式で保存します。
「PDF互換ファイルを作成」にチェックをつけたまま保存します
保存されたIllustratorファイルのファイルサイズをみると78.2Mバイトでした。
画像をリンク形式で配置して「配置した画像を含む」にチェックを入れていないのにファイルサイズが78.2Mバイトと、かなり大きいですよね。
ファイルの中に画像が含まれているようなファイルサイズです。
■早くIllustratorファイルを保存する方法
早くIllustratorファイルを保存する方法は以下の点だけが違います。
Illustrator形式で保存する時のダイアログで、「PDF互換ファイルを作成」のチェックを外して保存します。
保存されたIllustratorファイルのファイルサイズをみると1.1Mバイトへ大幅に小さくなりました!
このように「PDF互換ファイルを作成」にチェックを付けるか付けないかでファイルサイズが大きく変わることがわかります。
また、保存時間も何倍も早く終わる場合があります。
今回のファイルの場合は「PDF互換ファイルを作成」にチェックを付けた場合は保存のプログレスバーが出ましたが、「PDF互換ファイルを作成」にチェックを付けなかった場合は、保存のプログレスバーが見えないくらい早く保存が終わりました。
保存時間を極力短くしたい場合は「圧縮を使用」のチェックも外しましょう。
保存時の圧縮に掛かる時間を省けるので保存時間を短くすることができますよ。
■なぜ早く保存できるのか?
なぜこのようなことが起こるのかを簡単に説明すると、IllustratorはInDesignなどの他のソフトウェアなどでIllustratorファイルを利用することなどを考慮して、Illustrator 9からIllustratorファイルの先頭部分にPDFを付けて保存します。
つまり、Illustrator形式で保存しているのですが、PDF形式での保存も同時に行っているようなものなのです。
これでは時間が掛かってしまいます。上に書いた方法の場合は「圧縮を使用」にもチェックが入っているため、さらに保存の時間が掛かってしまいます。
Illustrator 10からは、このPDF形式の部分を付けるか付けないかを選択できるようになりました。
それが先程の「PDF互換ファイルを作成」にチェックで選択できるのです。
つまり「PDF互換ファイルを作成」にチェックを付けない方が素早く保存できます。
Illustratorでデザインや制作を行っている人は保存のオプションを一度確認してみてはいかがでしょうか。
※画像はリンク形式で配置している場合、ファイルサイズは劇的に小さくなる可能性が高いですが、画像がIllustratorに埋め込みされている場合、ファイルサイズはあまり小さくならない可能性が高いです。
■その他のアプリでIllustratorファイルを使用する場合は注意が必要
主に印刷で使用するIllustratorでは、今回のTipsは注意が必要です。
※Illustratorのネイティブデータ(=Illustrator形式)をIllustratorやInDesignなどに貼り込む場合は、必ず「PDF互換ファイルを作成」のチェックを付けて保存してください。チェックを付けないとIllustratorデータが使用できません。
■追記
- 2016/02/04:文章表現などを修正しました。
- 2016/02/05:「圧縮を使用」について追記しました。