先日お客様よりご質問がありました。内容としては以下のようなものです。
『InDesignを使用していて、入稿用にPDF変換を行おうとしたが、PDF変換を始めると「メモリ不足」というエラーが出てPDF変換ができない』
早速お客様のInDesignデータを確認しましたが、どうやら解像度が極端に高いものが多く貼り込まれていました。デジタルカメラで撮影したものを、色調補正を行い、そのまま貼り込んでいるような感じのデータでした。
こういった場合は、元の画像が適正な解像度(実寸で300~400dpi)になるようにPhotoshopで解像度を調整すれば一番良いのですが、そうする時間もない場合は以下の方法を行うことでPDF変換ができるようになるかもしれません。
(1)PC/Macのメモリを増やす
(2)ページごとの書き出しをやってみる
(3)PDF変換時に画像をダウンサンプルする設定にしてみる(InDesign)
(4)PS書き出しをしてみる
(1)は一番良いですね。メモリ不足とエラーメッセージが出るのですから、直接的な解決方法です。
メモリが増えることでPDFへの変換だけでなく、様々な処理がスムーズになる場合が多いので、メモリは(予算に合わせて)できるだけ搭載しておいた方が良いです。ただし、メモリを買ってこなくてはならないので、緊急時にはなかなか使えない手です。
(2)は16ページ一気に書き出すように設定せずに、1ページごとに書き出すことをしてみるとPDF変換がうまくいくことがあります。
(3)は吉田印刷所推奨の画像圧縮の設定は「ダウンサンプルなし」の設定になっていますが、これは元の画像をなるべく変更しないようにこのような設定とさせていただいております。
ただし、貼り込んでいるカラー・グレースケール画像が1500ppiなどという非常に高い解像度になっている場合は、ほとんど意味はないので、カラー画像の部分を「バイキュービックダウンサンプル」にして「350~400ppi」に設定しておけば、PDF変換時に設定した350~400ppiに解像度を落として保存されるので、PDF変換の時のメモリの使用量が少なくて済むようです。
(4)はPS書き出しを行って、PDF変換はAcrobat Distillerにて行うという形になります。
経験的な話ですが、大きなデータのPDFへの変換はAcrobat Distillerで行う方が成功する感じがします。
今回は結果として(3)の画像をダウンサンプルする設定にしてもらってPDF変換したら、無事にPDF変換が行えました。
皆さんもPDF変換がうまくできない!というときは上記の4点を試してみて下さいね!(画像のダウンサンプルは注意深く行って下さい)
また、単純にPC/Macを再起動して他のソフトウェアを起動しないでPDF変換したら普通にPDF変換できたということもあったので、一番手っ取り早いのはPC/Macを再起動なのかもしれませんね。