6月に行いましたアンケートは「最近、雑誌を読んで情報を収集していますか?」というものでした。
現在、テレビ・新聞・雑誌・ウェブなど様々な媒体によって情報が伝達されていますが、その中でもDTP・印刷業界と関わりの大きい「雑誌」が皆さんの情報源になっているかどうか、という趣旨でアンケートを行いました。選択肢は「はい」「いいえ」の2択としました。
結果は以下の通りです。
■最近、雑誌を読んで情報を収集していますか? …投票数:293票
はい … 31.4%
いいえ … 68.6%
結果としては、雑誌で情報収集を行っている方が1/3、そうではない方が2/3になりました。
今回のアンケートはウェブ上で行っているものなので、アンケートに回答された方の傾向としては基本的にウェブを中心に情報収集されているという方が非常に多いことが予測されます。
そうした回答者の中でも1/3という数の方は雑誌という紙メディアも利用して情報収集をされているという結果が出ており、まだまだ紙メディアという力は衰えていないということが現れているのではないかと思います。
今回の調査では雑誌の購読の回数や頻度、定期購読をしているか、などの詳しい事項に関しては対象とはしていないので、どの程度の数の雑誌を読まれているかどうかはわかりませんが、ウェブなどがあるなしに関わらず、もともと雑誌で情報収集しないという方もいるかと考えられます。このため予想としては「はい」を選ぶ方がもっと少ないと考えていましたので、1/3も雑誌を読んで情報収集されているというのは意外な結果だと感じました。
JAGAT(日本印刷技術協会)月次印刷業界動向の出版市場の情報を見てみると、2007年12月には雑誌は2億1700万冊程度販売されていますが、2008年12月には2億400万冊程度の発行となっており1年で6%程度の減少になっています。
雑誌販売の下降の勢いが2008年12月付近でも収まる様子が見られないので、そのままの流れで1年間6%の減少傾向が現在も継続されていれば、2009年6月現在、雑誌の販売数は2億冊という大台を下回っていることが予想されます。
▼ 月次印刷業界動向-出版市場(JAGAT)
| http://www.jagat.or.jp/fact/data/syuppan.pdf
▼ 出版物はどのくらい発行されているのでしょうか?
| http://www.jagat.or.jp/story_memo_view.asp?StoryID=9902
また、雑誌の販売の件で調べていたら雑誌の定期購読専門サイトとして知られている「Fujisan.co.jp」の西野社長のインタビュー記事で「アメリカでは雑誌の販売の八割以上が定期購読です。」(※1)という発言が書いてあり、日本の定期購読の低さが指摘されていました。
2003年の情報なので現在では多少状況は変わっているかと思いますが、それでも定期購読が「全体の8割」という数字はかなり大きな数字ですね。これだけ定期購読の読者がいると、雑誌の出版社も安定した運営が保てるので、色々大胆なチャレンジもできるのではないかと感じました。そう考えると日本では定期購読者が少ないため、当たり外れが怖くなってどうしてもこぢんまりとした雑誌作りになってしまうとも考えられます。日本でも定期購読者が多くなれば、雑誌も変わってくるかもしれませんね。
今回のアンケートにもDTP駆け込み寺の和尚様・読者様にご協力を頂きました。
また、弊社ページをご覧頂き、アンケートにお答え頂いた方々にも御礼申し上げます。ありがとうございました。
【アンケート概要】
アンケート期間:2008年6月2日~2009年6月30日
アンケート対象:主として「DTPサポート情報blog」閲覧者
アンケート方法:以下のページのウェブサービスによる回答(無記名回答)
https://www.ddc.co.jp/dtp/archives/20090602/172500.html
※1: http://www.fujisan.co.jp/contents/press/shinbunka20030626.asp