複数回に分けて弊社が発行している書籍『非常識が未来を創る - パンドラの箱の真実』の内容をメールマガジンでお届けしております。
経営者・営業担当向けの内容になっております。
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この原稿は2011年6月28日に開催された「AGFAフェア2011東京」での株式会社吉田印刷所(新潟県五泉市)代表取締役社長吉田和久の講演の文字起こしを行い、内容を修正したものです。話の流れを分かりやすくするために順序の入れ替えや言い換えなどを行っていることを予めご了承ください。
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(前回からの続き。前回→ http://bit.ly/KX2gzx )
●技術の基本はメンテナンス
小ロット印刷というのは技術の集積だと思っています。
その技術の基本にあるのは何かというとマシンのメンテナンスだと言い切れます。
きっちりとしたメンテナンスができていてこそ、生産現場の明日があるのです。
もっと分かりやすく言えば、新台で導入した時と同じ状況を常に維持できているかどうか。
生産現場の主力となる印刷機械の場合、肝要はこの部分にあると思っています。
このことをしっかりと日々の仕事の中でフォローできれば、私どもが行っている乾燥促進印刷ができるはずです。
では、その乾燥促進印刷でどんなことができるのか、例を挙げますと、先程お話した13年目の8色機がありますが、これを反転装置は使わずストレートにします。
ストレートにして前の4胴と後ろの4胴で違う仕事を行う。
それもどんてんで。
どんてん印刷ですから、そのままで紙さえひっくり返してやれば両面の印刷ができる。
これを8色機で行います。
片面印刷終了後、紙をひっくり返している時に次のジョブを空いている胴にセットができるのです。
これにより時間が大幅に短縮されるのです。
同位相というのがありますが、このダブルジョブの仕組みには一番理想形だと思っています。
使用する胴が動き、その他の胴は止まっている。
たぶんこの説明で良いと思うのですが。
8色機をこういうふうに使うと、これまでとは違う使い方ができるということが分かります。
私どもはXL105の4色機を持っていますけれども、この機械でどんてん印刷を行っています。
表面を印刷してすぐ、印刷した用紙をひっくり返して裏面を印刷するのです。
当社は乾燥装置を使っていません。
一般的な油性インキを使い、湿し水を絞り、機械のメンテナンスがしっかりできていて、オフセット印刷の原理原則に則った仕組みであれば乾燥促進印刷は必ずできる。
ただ、当社は、ハイデルベルグの機械しか検証できませんから、他のメーカーさんは分かりません。
皆さん、こんなことが現実にできたらどうですか?
劇的に印刷の現場が変わると思います。
印刷のオペレーターが次のジョブを探して、出力し、版を取り付ける。当然のように行っています。
また、面付けをするオペレーターは、プリプレス部門から印刷の現場に来てもらったスタッフです。
今、印刷の現場で当たり前のように面付けし、さらに時間の空いた時には印刷、あるいは製本の作業を行っています。
面付け作業は製本加工の内容を理解していないと、間違った面付けや効率の悪い面付けをしてしまいます。
このような実務での作業経験が大いに役立っているのです。
そういうことが、日々当たり前のように行われています。
多能工の本領発揮です。
こんな現場になってくると、最初は負荷が掛かりますが活気も出てきます。
そして、やっていることが楽しくなってきます。
今まで自分が経験したことのない領域に入り込んで行くのですから。
私の講演の前に別の講師の方がおっしゃった「楽しんで仕事をする」というのは、きっとこういうことなのだろうなと思ってお話を聞いておりました。
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