複数回に分けて弊社が発行している書籍『非常識が未来を創る - パンドラの箱の真実』の内容をメールマガジンでお届けしております。
経営者・営業担当向けの内容になっております。
書籍『非常識が未来を創る - パンドラの箱の真実』については以下のページをご覧下さい。
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この原稿は2011年6月28日に開催された「AGFAフェア2011東京」での株式会社吉田印刷所(新潟県五泉市)代表取締役社長吉田和久の講演の文字起こしを行い、内容を修正したものです。話の流れを分かりやすくするために順序の入れ替えや言い換えなどを行っていることを予めご了承ください。
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(前回からの続き。前回→ http://bit.ly/IHhypk )
●問題発見型の企業にならなければ生き残れない
CTPの話が出てきましたので、アグフアさんの刷版アズーラの話をさせていただきます。
まずはアズーラをなぜ吉田印刷所が採用したのか、というところをお話しましょう。
アズーラはプロ仕様の版である、と私は思っています。
皆さんはプロですから、当たり前のように自分たちが使っている物は全てプロ仕様で当然だと思われている。
しかし、今まで使ってきた版の中には、どうもプロが使用するには不十分な版がありました。
会社概要を見ていただきますとお分かりいただけますが、私どもが無処理版のテストをしたのが2005年です。
アグフアさんではない、他メーカーの無処理版を使って、ここからスタートを切りました。
まだ出始めの頃です。
ある時期からリスクを覚悟して、全面的に無処理版に切り替え、日々の仕事を処理してまいりました。
そんな状況の中で「湿し水をもっと絞れないか」という疑問を抱きながら、仕事をしていました。
なぜそんなに湿し水を絞ることにこだわるのか。
それは先程ご覧いただいた薄紙は徹底的に湿し水を絞りこまないと刷れないためです。
アズーラはかなり湿し水が絞れましたので、薄紙を目指す私どもでは使い勝手の良い版だと判断しました。
さらにアズーラはこれまでのPS版と比べると耐刷力もありました。
フレッシュプリントでは置き版を使います。
先程ご紹介した当社のお客様は、別会社でレンタル用品を提供している会社をお持ちです。
全国のお店に対して価格帯の違うカタログを販売しています。
それらを一手に私どもで印刷させてもらっています。
その際、使える置き版と使えない置き版があります。
例えば価格だけ違うのであれば墨版を入れ替える。
品物が違ってしまえば完全に版を入れ替える。
このようにして一番良いだろうという仕組み、方法を提供して無駄を無くしています。
そんな仕組みの中で4版のうちの1版の墨版だけ変わっても3版は使える。
それもいくつかのお店で使えるということになりますとけっこうな耐刷力が求められるのです。
何百万枚なんて話ではありませんが。
「今アズーラは耐刷10万枚くらいですか?」
(会場に居たスタッフ、うなずく。)
「大丈夫ですよね。」
十分、大丈夫だと思います。
以前使用していた刷版は厳しい部分があって大変だったのです。
このようなことを総合的に判断して、アズーラをプロ仕様の刷版として、今日大変快適に使わせていただいています。
さらに湿し水の絞れるアズーラを使っていますと、機械の悪いところが見えてきます。
印刷の汚れの状況を判断して、機械が今どういう状態にあるか、という健康診断ができる。
何か問題が起きてから対応するのでは遅いのです。
厳しい条件で印刷できるアズーラだから問題を発見できる。
企業は問題発見型になっていかないとだめだと私は思っています。
以前の版は機上現像タイプでしたので画像が良く見えません。
ただ何色の版なのかというのが分かる程度でした。
アズーラは画像が見えますが、私どもは見える見えないは関係ないのです。
刷版を見て重ね合わせで再現される色が分かるのでしょうか。
4版を見ても、色の再現は分かりません。
どこに刷版を確認する意味があったのでしょうか。
ずっと私どもはそう思って無処理版を使い続けてきましたので、アズーラに切り替えて見えるようになったので、現場に聞いてみました。
「どうだい、見えて。何か変わったか?」
「いや別に変わりませんけれども。扱いやすくはなりましたね、見えないよりは。」
その程度ですよ。
問題は見える、見えないではないのです。
刷版の段階で対応するのでは遅いということなのです。
問題が起きる前に、問題が出ない状況をどうすれば作れるのかを考え、仕組みを作りこんでいかないとだめなのです。
現在当社のヤレ版率は平均0.5%以下となっています。
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続きは次回以降のメールマガジンにて配信したいと思います。
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