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印刷をするために必要な「紙」について皆さんと学んでいきましょう。
紙の管理は印刷では非常に大事です。印刷前の在庫の時点での品質管理など、気をつけなければいけない点は多くありますね。
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紙は湿度に敏感なため、その変化に応じ、さまざまな挙動がみられます。
その中でも、代表的なものが紙ぐせ不良トラブルであり、その主体を占める「波打ち」「おちょこ」および「カール」です。
(1)波打ちとおちょこ
1枚1枚の紙が積まれた積層紙周囲の相対湿度が変化し、紙の周辺が吸湿ないしは脱湿すればその周辺部分が局部的に伸び、ないし縮みが起こります。
これが紙ぐせトラブルとなる「波打ち」や「おちょこ」の発生要因であり、印刷時に見当狂いあるいは印刷しわなどの原因となります。
図9(※)に「波打ち」と「おちょこ」の形状を示します。
なお、紙1枚全体が均一に吸湿ないしは脱湿した場合には、紙の全体的な伸びないし縮みは起こりますが、局部的な伸びや縮みは起こらなく、上記のような「波打ち」や「おちょこ」は発生しません。
ただし、後述の紙の表裏差によるカールは起こり得ます。
もう少し詳しく説明しますと、波打ち(ウェービィエッジ、Wavy Edge)は、紙の端部が大気中の水分を吸って部分的に伸び、波状になるもので、紙が大気などの周囲から吸湿することによって発生する現象です。
すなわち、紙(積層紙)の水分(紙間湿度)よりも周りの大気の湿度が高過ぎるときに起こりやすくなります。特に梅雨時の高湿環境下に紙が置かれたときとか、紙の水分が低過ぎる、低紙間湿度状態のときに発生しやすくなります。
一方、おちょこ(タイトエッジ、Tight Edge)は波打ちとは逆の条件下で発生します。
すなわち、紙周囲から外気中に水分を放出して紙の隅がせり上がり、ちょこ(盃)状の形になる現象です。
「おちょこ」の名称はここからきているわけです。
紙からの放湿(脱湿)が原因で、特に冬場の乾燥時期のように、紙の持つ紙間湿度よりも周りの大気の湿度が低過ぎる、低湿環境下のときや、紙の湿度が高過ぎる場合(高紙間湿度状態)に発生しやすくなります。
なお、このような「波打ち」や「おちょこ」現象は、大気湿度と積層紙の紙間湿度との相対的な差が、10~15%RH以上になると発生する可能性が大きくなります。
続きは→ https://dtp-bbs.com/road-to-the-paper/basic-lecture-of-the-paper/basic-lecture-of-the-paper-010.html
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「紙への道」のコンテンツは、中嶋隆吉さんの著作物です。
吉田印刷所では許諾を得て、編集・転載をしております。