関係者各位
2010年01月21日
株式会社 吉田印刷所
「よく使用されるDTP・デザイン用ソフトウェアのバージョン」アンケート結果を公開
DTP・デザインにはAdobe Creative Suite3が最も利用されている
DTP・印刷関係者向けのDTPサイト「DTPサポート情報ブログ」を運営する株式会社吉田印刷所(本社:新潟県五泉市 代表取締役社長:吉田 和久)は、主に弊社DTPサイトの閲覧者を対象に行った「よく使用されるDTP・デザイン用ソフトウェアのバージョン」のアンケートの結果を公開しました。
■■Adobe Creative Suite 3が最もよく利用されるバージョン
回答の結果は以下の通りとなりました。(5位より下は省略/右側の丸括弧内は2008年9月に行ったアンケートとの比較です)
■●Illustrator...622票
・[1位]...38.6%...Illustrator CS3(+17.0ポイント)
・[2位]...20.3%...Illustrator CS4
・[3位]...15.3%...Illustrator CS2(- 7.0ポイント)
・[4位]... 9.6%...Illustrator 10 (- 2.6ポイント)
・[5位]... 9.2%...Illustrator 8 (-19.3ポイント)
Illustrator CS3が第1位になりましたが、Mac版ではIntelMacにネイティブで対応し、パフォーマンスも良く、時期的にも落ち着いてきたためメインで使用し始めた方が多いということでしょうか。新しいバージョンの場合、最初は不安定な部分も多いため、様子見してきた方も多かったのではないかと考えられます。
最新バージョンのIllustrator CS4は堂々の2位となりました。これは2009年のアップグレードキャンペーンなどの成果も大きいと考えられます。メインとしての使用がおよそ20%も増加するというのはかなりの増加と言えるのではないでしょうか。
前回シェアとしては28.5%もあり、堂々の1位だったIllustrator 8は今回大きくポイントを下げて(-19.3ポイント)5位になりました。これは大きな変化です。同じ母集団ではないにしても「1年でそんなに大きく変わることはない」と事前に予想をしておりましたが、結果としては半分以下にまで下がったのは衝撃的でした。アンケートの回答者はMacユーザーばかりではないですが一定の割合回答者に含まれると考えられますので、回答頂いたMacユーザーの中ではClassic環境(※)のOSで動作するソフトウェアをメインで使用することは減ってきたと考えることができるのではないでしょうか。
※いわゆるMac OS Xより前のMac OS 8やMac OS 9など。
■●Photoshop...528票
・[1位]...41.7%...Photoshop CS3(+19.6ポイント)
・[2位]...19.9%...Photoshop CS4
・[3位]...15.3%...Photoshop CS2(- 7.4ポイント)
・[4位]... 8.3%...Photoshop 7 (-10.2ポイント)
・[5位]... 7.0%...Photoshop CS (- 5.3ポイント)
1位のPhotoshop CS3がほぼ40%という大きなシェアを占めた結果になりました。
ここでも1位はCS3(Photoshop CS3)となっております。Illustrator CS3同様、前回から大きくポイントを伸ばしました。
2位のCS4(Photoshop CS4)もほぼ20%というシェアを占めており、多くの方が新しいバージョンへ移行したと伺えます。
4位のPhotoshop 7は10ポイント近くシェアを落としましたが、これもMacユーザーの方でClassic環境からかなりの数の方が移行したと考えられます。
■●Acrobat...427票
・[1位]...39.6%...Acrobat 8(+ 4.1ポイント)
・[2位]...38.2%...Acrobat 9(+27.4ポイント)
・[3位]...11.9%...Acrobat 7(-12.8ポイント)
・[4位]... 5.2%...Acrobat 6(- 5.1ポイント)
・[5位]... 3.0%...Acrobat 5(-12.6ポイント)
最新版のAcrobat 9とその前のバージョンのAcrobat 8で全体のほぼ80%のシェアを占めるという結果になりました。
Acrobat 9は2008年12月に発売開始されたIllustrator CS4やPhotoshop CS4などのソフトウェアと違って、先行して2008年7月に販売が開始されているためか、Acrobat 9をメインとしての使用する割合も非常に多くなっています。
ここでもMacのClassic環境で動作するAcrobat 5の割合が大きく減少しているのが分かります。Acrobatはどちらかというと、新しいバージョンを利用しても問題が起きる割合が少ないように思いますので、新しいバージョンに移行しやすいのではないかと思います。
■●InDesign...396票
・[1位]...50.0%...InDesign CS3(+17.8ポイント)
・[2位]...19.7%...InDesign CS2(-17.6ポイント)
・[3位]...18.4%...InDesign CS4
・[4位]... 7.3%...InDesign CS (- 4.3ポイント)
・[5位]... 2.8%...InDesign 2 (- 6.6ポイント)
ひとつ前のバージョンのInDesign CS3が半数のシェアを占める結果となりました。
InDesignのアンケートでInDesign CS2とInDesign CS4がほぼ20%となっており、InDesign CS2がわずかながらInDesign CS4を上回っているのはInDesignがページものの文字組版を主体として行うソフトウェアのため、バージョンの違いによる影響が非常に大きく、新しいバージョンに移行しづらいということもあるのかもしれません。
■●QuarkXPress
・[1位]...34.7%...QuarkXPress 4.1(- 0.2ポイント)
・[2位]...34.3%...QuarkXPress 3.3(- 1.5ポイント)
・[3位]...12.7%...QuarkXPress 6.5(- 1.7ポイント)
・[4位]...12.3%...QuarkXPress 8 (+10.5ポイント)
・[5位]... 4.5%...QuarkXPress 3.1(- 1.7ポイント)
前回のアンケートとは上位3つのバージョンの順位が全く変わらず、シェアもほとんど変わっていないという結果になりました。
今回のアンケートでもClassic環境で動作するバージョンがほぼ70%ということで、QuarkXPressを利用している方々は新しいバージョンに移行していない傾向が明らかになりました。
■■最新バージョンのAdobe Creative Suite 4の利用状況
いわゆるCreative Suite 4に入っているソフトウェアは以下の様な順位になりました。
・Illustrator CS4 ...2位
・Photoshop CS4 ...2位
・InDesign CS4 ...3位
・Acrobat 9 ...2位
この結果から、かなり多くの方がメインのソフトウェアとしてCreative Suite 4を選択し始めていることが伺えます。
■■印刷用データ入稿のためのPDF対応について
吉田印刷所ではPDF入稿を積極的に推進していますので、PDFに対応したバージョンの傾向を見てみます。
PDF/X-1aに対応したIllustratorのバージョンはIllustrator CS2~CS4となります。このバージョンが占める割合は74.2%になります。
PDF/X-4に対応したIllustratorのバージョンはIllustrator CS3~CS4となります。このバージョンが占める割合は58.9%になり、半数以上はPDF/X-4に対応したバージョンをメインのソフトウェアとして使用していることが伺えます。
PDF/X-1aに対応したInDesignのバージョンはInDesign CS~CS4となります。このバージョンが占める割合は95.4%になります。InDesignユーザーではPDF/X-1aを書き出せないバージョンを利用していない方はほとんどいないと言っても問題はないでしょう。
PDF/X-4に対応したInDesignのバージョンはInDesign CS3~CS4となります。このバージョンが占める割合は68.4%になり、こちらも非常に高い割合になっており、PDF/X-4準拠のPDF作成ができないという状況は次第に解消されていることが伺えます。
■■総括
回答していただいたMac環境でDTPを行っているユーザーの割合はかなり多いとは思いますが、QuarkXPressを使用しているユーザー以外はClassic環境からの脱却がかなり進んできたといえるアンケート結果ではないでしょうか。
また、業界ではデータ入稿にPDFを利用する状況が推進されていますが、印刷向けのPDFとして用意されているPDF/X-1a・PDF/X-4に対応しているバージョンをメインのソフトウェアとして使用する方も非常に多くなってきたことから、PDF入稿への下準備はかなり整った感じがあります。
■【アンケート概要】
アンケート期間:2009年11月3日~2009年12月31日
アンケート対象:主として「DTPサポート情報ブログ」閲覧者
アンケート方法:以下のページのウェブサービスによる回答(無記名回答)
https://www.ddc.co.jp/dtp/archives/20091103/160000.html
■【吉田印刷所について】
株式会社吉田印刷所ではIT技術を活用し環境貢献できる印刷を目指す活動を行っております。インターネットを活用したPDFでの印刷データ入稿では営業マンやバイク便などを介在させない仕組みによって、人やモノの移動を極力抑え、環境の負荷を低減させる環境印刷を実現しています。また印刷工場ではグリーンプリンティング認定を取得して、環境負荷を抑える印刷を実行しております。DTP・印刷に関するブログは既に390万ページビューを超えるアクセスがあり、DTP・印刷関係者に幅広い支持を頂いております。
■[この件に関する問い合わせ先]
株式会社 吉田印刷所(代表取締役社長:吉田 和久)
■担当者:CSS部 笹川( info@ddc.co.jp )
〒959-1852 新潟県五泉市今泉902-1 TEL.0250-43-6144 FAX.0250-43-2918
■関連 URL:
吉田印刷所 : https://www.ddc.co.jp/
DTPサポート情報ブログ : https://www.ddc.co.jp/dtp/