吉田印刷所ニュースレター「YOSHIDA TELLING」2013年8月号《マイスタースクール(前編)》

  • 公開:2013-08-02 20:37
  • 更新:
吉田印刷所ニュースレター「YOSHIDA TELLING」2013年8月号《マイスタースクール(前編)》

「乾燥促進技術」と「マイスタースクール」

オフセット印刷では、印刷工程で湿し水という水が使われています。これは印刷のない部分に余計なインキが付かないようにするためのものです。湿し水をたっぷり使えば印刷が容易になりますが、その分乾燥に時間がかかり印刷物への汚れなども増え、生産性が下がる要因となっていました。

弊社では徹底的な機械メンテナンスと卓越したオペレーターの技能を駆使し、湿し水を極力使用しない状態で印刷する「乾燥促進技術」を確立いたしました。

使用される水分が減ることで乾燥にかかる時間も短縮されます。この為、インキの裏移り等を防ぐパウダーが削減され、UVなどの強制乾燥装置を必要としません。設備費用を抑制し、環境にも負荷のかからない、エコノミーとエコロジーを両立させる印刷技術です。

弊社ではこの「乾燥促進技術」を弊社だけのものではなく、印刷業界全体で取り組むべき手法であると考えました。

そこでこの度、ハイデルベルグ・ジャパン株式会社様と共同で、乾燥促進技術を学ぶ「マイスタースクール」を開講する運びとなりました。

「マイスタースクール」開校

マイスタースクール初日は、吉田印刷所の本社ホールにて座学からの開始となりました。

まず、社長の吉田からご参加の皆様へ、乾燥促進技術を学ぶことの重要性や印刷の未来の話をいたしました。

その後は、乾燥促進技術によって乾燥が早まると何がどう改善するのか、メリットは何かを参加者全員で考える時間となりました。品質向上や印刷のトラブルについて学び、さらにコストダウンができることなどを自分で考え確認することで、印刷の乾燥のことを改めて理解するきっかけとなるようなカリキュラムとなりました。

続いてハイデルベルグの講師の方から、印刷機の装置についての基本的な動作、原理原則の説明がありました。なぜこの装置が存在しているのか、この装置が動作しないとどうなってしまうのか、なぜこのパーツがあるのかということを学び直すことで、パーツの重要性を再認識することができました。

座学が終わりましたら、いよいよ実際の作業に移ります。

メンテナンスの作業体験

作業体験は、実際に印刷に使用されている機械とその設備を利用して行われます。

まず弊社の印刷部長が、安定的な印刷の要であるローラーのメンテナンスについての説明を行いました。メンテナンスのポイントを理解して頂いたところで作業体験の開始です。

ローラーのメンテナンスでは、厳しいメンテナンス手順による品質チェックや指導が行われ、メンテナンスが終わったローラーを印刷機にセットし、調整についての解説を行いました。

この後、インキ・水のバランスチェック、テスト印刷を行い、印刷濃度や乾燥性のチェックについて解説を行いました。

第一回目「マイスタースクール」終了

こうして第一回目のマイスタースクールは無事終了いたしました。この受講のあと、この日に学んだメンテナンス手法を実際に受講者それぞれの現場にて実践していただくことになります。第二回目の講義では、その結果どのような変化があったか各社の発表をしていただきます。後編はその様子や内容をお知らせいたします。

編集後記

これまでも当社の商品や技術をご紹介して参りましたが、これらの基礎になっているのがメンテナンスの技術です。

今回のスクールを通じて、当社がこれまで培ってきたメンテナンスの技術を同業の皆様と共にすることで、印刷物をご発注頂いているお客様に有益な商品をご提供できるよう業界に貢献できたらと思っております。

「YOSHIDA TELLING」とは

吉田印刷所の印刷のことをはじめ、社会やお客様に対してどんな取り組みを行っているかをもっと知ってもらいたい、その想いから、吉田印刷所ニュースレター「YOSHIDA TELLING」を制作しています。

TELLINGは「伝える」という意味です。

本誌を読んで当社へのご興味を持って頂ければ嬉しいです。

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