関係者各位
2013年8月19日
株式会社 吉田印刷所
デザイナーへ依頼する時の決め手の調査結果を公開
(2013年7月調査)
最も重要視するのは「実績」
「料金」に対する関心もやはり高い結果に
株式会社吉田印刷所(新潟県五泉市)は、「デザイナーへ依頼する時の決め手」のアンケート結果を公開した。
■アンケート概要
株式会社吉田印刷所では自社サイトにて「デザイナーへ依頼する時の決め手」アンケートを2013年7月に行った。
アンケート期間 | 2013年7月16日~2013年7月31日 |
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アンケート対象 | DTP・印刷・デザイン関係者 |
アンケート方法 | 以下のページに設置したアンケートによる回答(無記名回答) https://www.ddc.co.jp/dtp/archives/20130716/140841.html |
アンケート内容 | デザイナーへ依頼する時の決め手で重要視するものを1番目から3番目まで選択回答 【選択肢】
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アンケート回答者数 | 64名 |
■アンケート結果より
■「1番目に」考慮すること
今回のアンケート結果で「1番目に」考慮することを見てみると、「実績があるから」(以下「実績」)を選択された方が、全体の38%となり、デザイナーを決定する際に、デザイナーが今までどのような活動・仕事をしてきたのかを重要視する傾向がわかった。
デザインの仕事に限らないが、外部へ仕事を依頼する際に失敗したくない心理はどうしても働く。今までの実績が提示されていることで、この程度の仕事は大丈夫だろうという判断基準ができ、結果として依頼への安心感に繋がっていくので、この「実績」という選択肢が選択されているのだろう。
「好みのデザインを作ってくれそうだから」(以下「好み」)を選択された方が、全体の33%という結果が出た。デザイナーの作風が重要視されていることが分かる。このことは、逆から考えれば、作風が分からないデザイナーは選択肢に入ってこないことを表している。
「提案力がありそうだから」(以下「提案力」)「人からの紹介」(以下「紹介」)は9%で3位となった。
「提案力」は「1番目に」考慮することとしては低めの選択率であったが、これは提案力より、まずわかりやすい外面的な作風や実績による信用を重要視しているからだと考えられる。
「紹介」も、「実績」と同じく、信用を重要視していることの表れとみるべきだろう。
■「2番目に」考慮すること
「2番目に」考慮することを見てみると、選ばれたものとして多かったのは「料金」が38%であった。「2番目に」考慮することに「料金」を選択した人で「1番目に」考慮することで一番多かったのは「好み」で、次点は「実績」だった。作風が依頼主の好みであったり、デザイナーに仕事に対する信用があったりしても、やはり予算の中での決定であることはビジネス上では仕方が無いためだろう。
他には、17%で「実績」「提案力」となっており、16%で「好み」となっている。
「実績」を「2番目に」考慮することとして選択した人で、「1番目に」考慮することを見てみると、回答はばらけた感じであったが、「提案力」を「2番目に」選択した人で「1番目に」に選択したものは「実績」「好み」が半々の割合で回答されていて、「実績」や「好み」が依頼主に合っていたとしても、きちんとした「提案力」が伴わなければ、選ばれないことを表している。
■「3番目に」考慮すること
「3番目に」考慮することを見てみると、「料金」が36%、「好み」が23%、「提案力」が20%という結果となった。
■その他
「どれも当てはまらない」と回答された方で、考慮するポイントとしては「仕事の速さ」「仕事に対する柔軟性」「依頼しやすさ」「人柄」などが挙げられていた。
■総評
1番目から3番目に考慮することの回答を合わせて見てみると、「料金」が26%、「好み」が24%、「実績」が21%、「提案力」が16%、「紹介」が7%となった。
「料金」の選択が多い点は、やはりまだまだ「料金」を心配する依頼主が多いということだろう。デザインの料金はピンからキリまであるので、きちんと納得した料金で依頼したいという現れではないだろうか。
次点としては、「好み」が挙がっているが、依頼主が好むデザインという表現の部分での評価がある。見た目で分かりやすいため、評価のポイントとしても上位にあるのだと考えられる。
今回のアンケート調査では、特に作風や過去にどこで採用されたかという実績、そして料金という部分で、他人から見て分かりやすい形でデザイナー側からきちんと表現されていないと、仕事を依頼する際の選択肢として挙げられないことがわかった。
デザイナーがどのように分かりやすく表現するのかは、デザイナーそれぞれではあるが、リアルでもネットでも、デザインの仕事を受注したい場合には、ポートフォリオとしてきちんと見せられるものが無ければ、受注活動のスタートラインに並ばせてもらえないということではないか。
現在では、ブログやウェブサイト上で、デザイナーが作風や実績などを公開しているが、ウェブ制作が苦手なデザイナーでも、多くのデザイナーが使用するAdobe Creative Suite・Creative CloudにあるInDesignでは一般的なデザインの用途だけでなく、Adobe DPS(Adobe Digital Publishing Suite)の機能を使用することでiPad・Androidタブレットで閲覧できるポートフォリオを作成することができる。デザイナーは実際の仕事だけでは無く、実績に対する表現・まとめもワークフローのひとつとして組み入れていく必要があるのではないだろうか。
■関連ページ
Adobe DPSなどについて (Adobe Design Magazine)