2014年5月7日
株式会社 吉田印刷所
DTP・デザインで使用するAdobeソフトのバージョンアンケート調査結果を公開
(2014年3月調査)
ついに全てのソフトでCS6のバージョンをメインに使うユーザーが最も多く
株式会社吉田印刷所(新潟県五泉市・代表取締役社長 吉田和久)は、「DTP・デザインで使用するAdobeソフトのバージョン」のアンケートの結果を公開した。
今回の調査では、メインで使用しているバージョンのトップが全てのソフトでCS6となった。全体的に新しいバージョンへの移行が進んでいる様子が伺えるが、InDesignでは移行の進捗が遅い。
Creative Cloudの導入した理由・未導入の理由の項目からは、Creative CloudはDTP用途にソフトを絞ったバージョン提供をユーザーから求められている様子が伺える結果となった。
■アンケート概要
株式会社吉田印刷所では自社サイトにて「DTP・デザインで使用するAdobeソフトのバージョンアンケート」アンケートを2014年3月に行った。
アンケート期間 | 2014年3月10日~2014年3月31日 |
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アンケート対象 | DTP・デザイン・印刷関係のAdobeソフトユーザー |
アンケート方法 | 以下のページに設置したアンケートによる回答(無記名回答・記入回答あり) |
アンケート内容 | Adobe Illustrator・Photoshop・InDesign・Acrobatのソフトのメインで使用しているバージョン・他にも使用しているバージョンがあればそのバージョン・Adobe Creative Cloudの使用状況・CC導入の理由・CC未導入の理由・CCを使って驚いたこと(自由回答)・Adobeへのメッセージ(自由回答) |
アンケート回答者数 | 388名 |
■アンケート結果
アンケートの結果は以下の通り。(5位より下位は省略/右側の丸括弧内は2013年9月に行ったアンケートとの比較)
■Illustratorについて
●メインで使用するバージョン
- [1位]25.5% Illustrator CS6 (+ 3.7ポイント)
- [2位]24.5% Illustrator CS5/5.1 (- 7.0ポイント)
- [3位]17.5% Illustrator CC (+ 7.5ポイント)
- [4位]16.0% Illustrator CS4 (- 2.9ポイント)
- [5位] 8.2% Illustrator CS3 (- 2.9ポイント)
●使用バージョンについて
- ひとつのバージョンのみ使用:27.1%
- 複数のバージョンを併用 :72.9%
●複数のバージョンを併用している場合のバージョンについて
- [1位]Illustrator CS6
- [2位]Illustrator CS3
- [3位]Illustrator CS5/5.1
- [4位]Illustrator CS4
- [5位]Illustrator CC
Illustratorメインで使用するバージョンは、ついにIllustrator CS6がトップとなった。前回の結果で「パッケージ版はIllustrator CS6が最終バージョンのため、Illustrator CS6がある種のスタンダードになる可能性がある」と書いたが、このままスタンダードとしてトップにどのくらい居続けられるのかが気になる結果となった。
Illustrator CS5/5.1も僅差で2位となっている。まだまだ広く使われるバージョンといっても良いだろう。
Illustrator CCは+7.5ポイントと大きく数値が伸びている。次回にIllustrator CS5/5.1ユーザーを超えられるかが焦点となりそうだ。
複数のバージョンを併用している場合のバージョンでは、Illustrator CS6がトップとなっている。Creative CloudではIllustrator CCだけでなく、Illustrator CS6もダウンロードして使用できる。パッケージ版のユーザーの繋ぎとして、どのくらいの影響力があるかを見ていく必要がありそうだ。
他には、併用しているバージョンとしてIllustrator CS3の人気も高いことが分かる。メインで使用する人は減ってはいるが、他のユーザーとの兼ね合いで使うパターンが多いバージョンであると考えられる。
複数のバージョンを併用するユーザーは70%以上いるが、前回より減っている。最終的に併用しなくてもデータの受け渡しが可能になればユーザーとして嬉しい状況になるが、まだその道のりは長いようだ。
■Photoshopについて
●メインで使用するバージョン
- [1位]25.5% Photoshop CS6 (- 0.1ポイント)
- [2位]23.5% Photoshop CC (+10.6ポイント)
- [3位]20.9% Photoshop CS5/5.1 (- 5.5ポイント)
- [4位]12.9% Photoshop CS4 (- 0.2ポイント)
- [5位]10.0% Photoshop CS3 (- 2.5ポイント)
●使用バージョンについて
- ひとつのバージョンのみ使用:42.0%
- 複数のバージョンを併用 :58.0%
●複数のバージョンを併用している場合のバージョンについて
- [1位]Photoshop CS6
- [2位]Photoshop CS5/5.1
- [3位]Photoshop CS3
- [4位]Photoshop CS4
- [4位]Photoshop CC
Photoshopユーザーは過去の調査から最新のバージョンを好む傾向にある。
前回の調査結果で「次回の調査ではPhotoshop CS6がメインとして使われるバージョンのトップとなることが予想される」と書いたが、予想通りにPhotoshop CS6がメインで使用されるバージョンでトップとなった。
ただ、Photoshop CCのユーザーの伸びも大きく、Photoshop CS6との差が僅差であるため、次回の調査ではPhotoshop CCがトップになると予想される。
複数のバージョンを併用しているユーザーも減少傾向にあり、最新のPhotoshop CCだけあれば良いという状況に近づいてきているようだ。
■InDesignについて
●メインで使用するバージョン
- [1位]22.2% InDesign CS6 (+ 5.2ポイント)
- [2位]20.6% 使っていない (+ 1.2ポイント)
- [3位]20.6% InDesign CS4 (+ 6.9ポイント)
- [4位]13.7% InDesign CC (- 3.3ポイント)
- [5位]12.9% InDesign CS5.5 (+ 7.4ポイント)
●使用バージョンについて
- ひとつのバージョンのみ使用:28.4%
- 複数のバージョンを併用 :71.6%
●複数のバージョンを併用している場合のバージョンについて
- [1位]InDesign CS6
- [2位]InDesign CS3
- [3位]InDesign CS4
- [4位]InDesign CS5.5
- [4位]InDesign CS5
InDesignのメインで使用するバージョンも、InDesign CS6がトップとなった。
しかし、IllustratorやPhotoshopと異なりInDesign CCが上位に来ないのは、InDesignで制作する際に期間が長いものが多いため、移行できないと考えられる。
このためしばらくはInDesign CS6がトップに居続けるだろう。
併用している割合もIllustrator同様に多く、ドキュメントを新しいバージョンで開いて移行せずに、制作時のバージョンを変えずにそのままのバージョンで作業を行っている様子が伺える。
■Acrobatについて
●メインで使用するバージョン
- [1位]35.6% Acrobat X (+ 0.0ポイント)
- [2位]26.0% Acrobat XI (+ 7.9ポイント)
- [3位]19.1% Acrobat 9 (-10.8ポイント)
- [4位]12.1% 使っていない (+ 2.9ポイント)
- [5位] 4.1% Acrobat 8 (― 1.3ポイント)
●使用バージョンについて
- ひとつのバージョンのみ使用:68.6%
- 複数のバージョンを併用 :31.4%
●複数のバージョンを併用している場合のバージョンについて
- [1位]Acrobat 9
- [2位]Acrobat X
- [3位]Acrobat 8
- [4位]Acrobat XI
- [5位]Acrobat 7
Acrobatも大幅に新しいバージョン移行が進んでいるようだ。
Acrobat XとAcrobat XIの上位2つのバージョンで50%を超えているので、新しいバージョンを使用する割合はPhotoshopよりも更に大きいということになる。
ひとつのバージョンのみを使用しているユーザーも70%近くおり、ひとつのバージョンで問題無い様子が伺える。
今後もこの傾向が続くだろう。
■Creative Cloudについて
●導入状況について
- 既に使っています:37.6% (+ 5.3ポイント)
- 導入予定あり : 4.6% (- 0.5ポイント)
- しばらく様子見 :36.6% (- 4.6ポイント)
- 使う予定はない :21.1% (― 0.2ポイント)
前回の調査から、既にCreative Cloudを使用しているというユーザーは大きく増えたわけではないが、数値だけ見ると、様子見をしていたユーザーが移行したとも見られる。
使う予定がないユーザーは前回とほとんど変わっていないので、このユーザーはパッケージ版で十分なユーザーなのだろうと考えられる。
●Creative Cloudを導入した理由について
- 常に最新環境が使えること :42.5%
- 導入の価格が安いこと : 8.9%
- Creative Cloudで使えるソフトに魅力を感じて : 4.8%
- 製品の仕様にメリットを感じて : 8.2%
- テスト的に少数導入 : 9.6%
- キャンペーン価格に魅力を感じて : 8.9%
- その他 :17.1%
●Creative Cloudを導入していない理由について
- OSやハードなど、Creative Cloudを導入できない環境: 8.7%
- 将来的な過去バージョンの取り扱いが不透明 :11.6%
- 全てのアプリケーションを必要としていない :14.0%
- トータルするとコストが高く感じる :18.6%
- パッケージ版の方がいい(ライセンス契約含む) :12.4%
- サブスクリプション(年間・月間払い)に抵抗がある:24.8%
- その他 : 9.9%
Creative Cloudのユーザーの多くは最新環境が使えることに最も重きを置いていることがわかる結果となった。
最新版の環境がCreative Cloudしかないという理由もあるだろうが、ユーザーは新しい機能などに関心があるといえるのではないだろうか。
しかし、全てのソフトが使えるという「Creative Cloudで使えるソフトに魅力を感じて」という部分にはあまり魅力を感じていないユーザーも多く、導入していないユーザーは導入の価格を高く感じているユーザーも多いので、全てではなく数個に絞って価格を抑えたCreative Cloudが期待されているのではないだろうか。自由コメント欄でもそうした意見が多かった。
■関連情報
■追記:2014年10月8日
「複数のバージョンを使用している場合のバージョン」のグラフの値が一部誤って集計されていたので、修正をし、グラフを変更しました。お詫びして訂正いたします。
■株式会社吉田印刷所について
株式会社吉田印刷所は、1920年創業の様々な印刷サービスを提供する印刷会社です。
新潟県五泉市という地域に根付いた印刷会社ですが、ネットで印刷を全国から受注する取り組みも2000年より業界に先駆けて行っており、近年は極薄紙(薄葉紙)のカラー印刷などにも取り組み、市場の開拓を進めています。
http://www.ddc.co.jp/service/ultra-thin-print.html
■お問い合わせ担当者:株式会社吉田印刷所 CSS部 笹川( info@ddc.co.jp )
〒959-1852 新潟県五泉市今泉902-1 TEL.050-3733-1975