2014年10月9日
株式会社 吉田印刷所
Illustrator・Photoshopなどデザイン用ソフトで
使用されているバージョンの調査結果を公開
(2014年9月調査)
Creative Cloud利用者は回答者の40%超えに
既にCreative Cloudを使っているユーザーは新しいバージョンへの抵抗が少ない
株式会社吉田印刷所(新潟県五泉市・代表取締役社長 吉田和久)は、印刷業界・デザイナー向けに行った「使用しているAdobeソフトのバージョン」のアンケートの結果を公開した。
今回の調査結果から、Creative Cloudの利用割合が40%を超え、普及期に入ってきたといえる。メインで使用しているバージョンの調査ではCreative Cloudの2014年リリース版が比較的多く利用されていることがわかり、Creative Cloudユーザーは新しいバージョンへの移行意識が高いことが伺えた。
ただ、特にIllustratorは複数バージョンを併用しながら作業している状況は依然と変わっておらず、データの受け渡しのフローで様々なバージョンの制限があると考えられる。
■アンケート概要
株式会社吉田印刷所では自社サイトにて印刷業界・デザイナー向けに「DTP・デザインで使用するAdobeソフトのバージョンアンケート」アンケートを2014年9月に行った。
アンケートの目的は、ユーザー実際に使用されているソフトのバージョンを調査することで、印刷データをやり取りする際の参考資料として活用するため。
アンケート期間 | 2014年9月1日~2014年9月24日 |
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アンケート対象 | DTP・デザイン・印刷関係のAdobeソフトユーザー |
アンケート方法 | 以下のページに設置したアンケートによる回答(無記名回答・記入回答あり) |
アンケート内容 | Adobe Illustrator・Photoshop・InDesign・Acrobatのソフトのメインで使用しているバージョン・他にも使用しているバージョンがあればそのバージョン・Adobe Creative Cloudの使用状況・CC導入の理由・CC未導入の理由・CCを使って驚いたこと(自由回答)・欲しい機能(自由回答)・Adobeへのメッセージ(自由回答) |
アンケート回答者数 | 360名 |
■アンケート結果
アンケートの結果は以下の通り。(5位より下位は省略/右側の丸括弧内は2014年3月に行ったアンケートとの比較)
■Illustratorについて
●メインで使用するバージョン
- [1位]23.1% Illustrator CS5/5.1 (- 1.4ポイント)
- [2位]21.9% Illustrator CS6(パッケージ または ライセンス)(前回データなし)
- [3位]18.6% Illustrator CC(2014) (前回データなし)
- [4位]11.1% Illustrator CS4 (- 4.9ポイント)
- [5位] 7.8% Illustrator CS3 (- 0.4ポイント)
※参考:Illustrator CS6の提供形式(パッケージ・ライセンス・CC付属)全てを合計すると26.6%
●使用バージョンについて
- ひとつのバージョンのみ使用:28.3%
- 複数のバージョンを併用 :71.7%
●複数のバージョンを併用している場合のバージョンについて
- [1位]Illustrator CS6(パッケージ または ライセンス)
- [2位]Illustrator CS3
- [3位]Illustrator CS5/5.1
- [4位]Illustrator CS4
- [5位]Illustrator CC
Illustratorメインで使用するバージョンは、Illustrator CS5/5.1がトップとなったが、提供の形式が複数あるIllustrator CS6を全て合計すると、前回と同じくIllustrator CS6がトップとなった。前々回の結果で「パッケージ版はIllustrator CS6が最終バージョンのため、Illustrator CS6がある種のスタンダードになる可能性がある」と書いたが、調査項目を今回変更したことで、パッケージ版とライセンス版の永続ライセンスは21.9%と非常に多くのユーザーが使っていることが判明した。
Illustrator CS5/5.1とIllustrator CS6は大きな差はないが、注目すべき点はIllustrator CC(2014)というCCの最新版が18.6%とIllustrator CC(無印)ユーザーよりも多いことだ。Illustrator CC(無印)とIllustrator CC(2014)は別のアプリケーションとして存在しているが、より新しいバージョンを積極的に使うユーザーが多くなってきていることを意味している。
複数のバージョンを併用している場合のバージョンを見てみると、Illustrator CS6が前回同様トップとなっている。5位までの順位も前回と全く変わらない。
まだ複数のバージョンを併用している割合は70%を超えており、複数のバージョンを使い分けないとデータのやり取りが難しい状態が伺える。
■Photoshopについて
●メインで使用するバージョン
- [1位]21.9% Photoshop CC(2014) (前回データなし)
- [1位]21.9% Photoshop CS6(パッケージ または ライセンス)(前回データなし)
- [3位]20.3% Photoshop CS5/5.1 (- 0.6ポイント)
- [4位]11.9% Photoshop CS4 (- 1.0ポイント)
- [5位] 6.9% Photoshop CS3 (- 3.1ポイント)
※参考:Photoshop CS6の提供形式(パッケージ・ライセンス・CC付属)全てを合計すると26.1%
●使用バージョンについて
- ひとつのバージョンのみ使用:43.3%
- 複数のバージョンを併用 :56.7%
●複数のバージョンを併用している場合のバージョンについて
- [1位]Photoshop CS6(パッケージ または ライセンス)
- [2位]Photoshop CS3
- [3位]Photoshop CS5/5.1
- [4位]Photoshop CC
- [5位]Photoshop CS4
Photoshopユーザーは過去の調査から最新のバージョンを利用する傾向にあるが、今回はその傾向が強く表れた結果となった。
前回の調査結果では「Photoshop CCが次回トップに」と予測したが、Photoshop CC(2014)という新しいバージョンがリリースされ、そちらへの移行が一気に進んだ。
Photoshopはデータの互換性がAdobeの他のソフトウェアより高いと言われており、新しいバージョンで作業を行っても問題が発生しづらいため、このように最新版への移行が進んでいるのだと考えられる。
■InDesignについて
●メインで使用するバージョン
- [1位]23.6% 使っていない (+ 3.0ポイント)
- [2位]18.9% InDesign CS6(パッケージ または ライセンス)(前回データなし)
- [3位]11.4% InDesign CS5 (+ 1.6ポイント)
- [4位]11.1% InDesign CC(2014) (前回データなし)
- [5位]10.6% InDesign CS5.5 (- 2.3ポイント)
※参考:InDesign CS6の提供形式(パッケージ・ライセンス・CC付属)全てを合計すると23.3%
●使用バージョンについて
- ひとつのバージョンのみ使用:49.4%
- 複数のバージョンを併用 :50.6%
●複数のバージョンを併用している場合のバージョンについて
- [1位]InDesign CS6(パッケージ または ライセンス)
- [2位]InDesign CS3
- [3位]InDesign CS4
- [4位]InDesign CS5
- [5位]InDesign CS5.5
InDesignのメインで使用するバージョンとしては今回もInDesign CS6がトップとなった。それもInDesign CS6だけが頭ひとつ抜けて多い結果が出ているが、これはAdobeの他のソフトウェアにはない結果だ。
InDesignが大量ページのドキュメントを作成するためのソフトウェアなので、バージョン間のデータの開き方が異なった場合の影響が大きい。InDesign CS6はある意味、これ以上バージョンアップされないものなので、ある日突然組版結果やデザイン状態が変わることはない。不具合などを認識した上で、組版結果・デザイン状態を安定させるためにInDesign CS6を使用しているのかもしれない。
結果を見てみるとInDesign CCをメインで使用する割合は前回より減少し、InDesign CC(2014)がある程度の割合を占めている。これはInDesign CCユーザーがInDesign CC(2014)へ順調に移行できていることを表しているといえるのではないか。
■Acrobatについて
●メインで使用するバージョン
- [1位]32.5% Acrobat X (- 3.1ポイント)
- [2位]30.8% Acrobat XI (+ 4.8ポイント)
- [3位]18.3% Acrobat 9 (- 0.8ポイント)
- [4位]11.7% 使っていない(- 0.4ポイント)
- [5位] 5.6% Acrobat 8 (+ 1.5ポイント)
●使用バージョンについて
- ひとつのバージョンのみ使用:71.1%
- 複数のバージョンを併用 :28.9%
●複数のバージョンを併用している場合のバージョンについて
- [1位]Acrobat X
- [2位]Acrobat 9
- [3位]Acrobat XI
- [4位]Acrobat 8
- [5位]Acrobat 7
- [5位]Acrobat 5
Acrobatは前回の調査から新しいバージョンが出ていないので大きな変化は見られなかった。
Acrobat XとAcrobat XIという新しいバージョンを利用する場合が非常に多い。Acrobatに関しては新しいバージョンがユーザーに受け入れられていることが伺える。
■Creative Cloudについて
●導入状況について
- 既に使っています:40.3% (+ 2.7ポイント)
- 導入予定あり : 5.0% (+ 0.4ポイント)
- しばらく様子見 :30.0% (- 6.6ポイント)
- 使う予定はない :24.7% (+ 3.6ポイント)
既にCreative Cloudを使っているユーザーが40%を超えた。前回の調査からは微増ではあるが着実にユーザーが増えていることがわかる。
しばらく様子見と回答した割合が減って、使っている・使う予定はないと回答した割合がそれぞれ増えたということは、周りの状況を見ながらCreative Cloudの必要性を見極めているのではないだろうか。
●Creative Cloudを導入した理由について
- 常に最新環境が使えること :51.0%
- 導入の価格が安いこと :10.3%
- Creative Cloudで使えるソフトに魅力を感じて : 5.5%
- 製品の仕様にメリットを感じて : 9.0%
- テスト的に少数導入 : 6.9%
- キャンペーン価格に魅力を感じて : 5.5%
- その他 :11.7%
●Creative Cloudを導入していない理由について
- OSやハードなど、Creative Cloudを導入できない環境:13.5%
- 将来的な過去バージョンの取り扱いが不透明 : 5.6%
- 全てのアプリケーションを必要としていない :13.5%
- トータルするとコストが高く感じる :23.7%
- パッケージ版の方がいい(ライセンス契約含む) :14.9%
- サブスクリプション(年間・月間払い)に抵抗がある:20.0%
- その他 : 8.8%
■関連情報
■株式会社吉田印刷所について
株式会社吉田印刷所は、1920年創業の様々な印刷サービスを提供する印刷会社です。
新潟県五泉市という地域に根付いた印刷会社ですが、ネットで印刷を全国から受注する取り組みも2000年より業界に先駆けて行っており、近年は極薄紙(薄葉紙)のカラー印刷などにも取り組み、市場の開拓を進めています。
http://www.ddc.co.jp/service/ultra-thin-print.html
■お問い合わせ担当者:株式会社吉田印刷所 営業部 笹川( info@ddc.co.jp )
〒959-1835 新潟県五泉市今泉902-1 TEL.050-3733-1975