トンボと裁ち落とし(塗り足し)の解説

  • 公開:
  • 更新:
  • 制作/編集:
トンボと裁ち落とし(塗り足し)の解説
目次
Loading...

概要

このページでは印刷物を制作する上で仕上がりの位置を指定したり、断裁の予備分を指定したりするためのマークであるトンボとその役割について解説しています。

トンボ裁ち落としの領域が付けられるアプリケーションでは印刷・制作のミスを減らすために必ず作成するようにしましょう。

トンボについて

トンボとは、印刷物を作成する際に、仕上りサイズに断裁するための位置を表すマークです。

トンボにも2種類の形があり四隅に配置されているマークを「コーナートンボ」といい、センターに配置されているマークを「センタートンボ」と呼ばれています。アプリケーションによっては「トリムマーク」と呼ばれます。

このほかに折り位置を表す「折りトンボ」と呼ばれるものもあります。

コーナートンボ(角トンボ

仕上りに対して内側にある罫線は仕上り位置を表しています。それと平行している外側にある罫線裁ち落とし(塗り足し)領域を表しています。

日本ではL字の線を2本重ねた形が一般的です。

コーナートンボ/角トンボ
コーナートンボ/角トンボ

センタートンボ(十字トンボ

センタートンボは仕上がり位置の左右のセンターを表しています。

カタログ冊子などの複数ページの印刷物(ページ物)で使うノンブル(ページ番号)などの位置の目安にもなります。

センタートンボ/十字トンボ
センタートンボ/十字トンボ

裁ち落としについて

裁ち落としとは、仕上りサイズに対して端まで色や写真などの絵柄を配置したい場合(=用紙の端まで印刷したい場合)に仕上りサイズよりも3mm程度大きめに色や絵柄を配置する領域です。

以下の図では、赤の点線が仕上がりの位置です。裁ち落としはオレンジ色の線と赤の点線の間の領域を指します。

赤点線の仕上がり位置とオレンジの線の間の領域が裁ち落とし部分
赤点線の仕上がり位置とオレンジの線の間の領域が裁ち落とし部分

裁ち落としが必要な理由

なぜ裁ち落としの処理が必要なのでしょうか。

印刷物は、仕上がりサイズより大きな印刷用紙に印刷を行い、数百枚から数千枚をまとめて断裁機で仕上りサイズに断裁します。

断裁される際に発生するわずかなずれによって印刷物は仕上がりのラインの外側で断裁されてしまう場合があります。この場合に裁ち落とし領域に絵柄が入っていない(=裁ち落としの領域に印刷されているものがない)と、元の紙の色(=白)が印刷物の中に入ってしまうことになります。

このため裁ち落とし領域まで絵柄を入れて、多少の断裁のずれにも対応できることが必要になります。

断裁のズレで白が出てしまう例

裁ち落としまでカラーが入っている場合と入っていない場合の例を見てみます。

まずは裁ち落とし部分までカラーが入っている例です。

裁ち落とし部分までカラーが入っている例
裁ち落とし部分までカラーが入っている例

このデータを印刷して、上に1.5mmほど断裁の位置がずれてしまった場合は以下のようになります。裁ち落とし部分にあるカラーで断裁のズレをカバーできています。

裁ち落とし部分にあるカラーで断裁のズレをカバーできる
裁ち落とし部分にあるカラーで断裁のズレをカバーできる

裁ち落とし部分にカラーが入っていない仕上がりの位置とピッタリの例です。

裁ち落とし部分にカラーが入っていない例
裁ち落とし部分にカラーが入っていない例

このデータを印刷して、上に1.5mmほど断裁の位置がずれてしまった場合は以下のようになります。仕上がりサイズ分しかカラーが入っていないので、断裁のズレに対応できず、紙の白が出てしまいます。

断裁のズレに対応できずに紙の白地が出てしまう
断裁のズレに対応できずに紙の白が出てしまう

文字は仕上がりのラインのギリギリに配置しない

同様に文字を配置する場合は、断裁位置のズレによって文字が欠けないように仕上りのラインよりも3mm程度内側に配置してデータを作成することをおすすめいたします。

以下の図では青色の線が仕上がりのラインより3mm内側です。

仕上がりのラインのギリギリには文字は配置しない
仕上がりのラインのギリギリには文字は配置しない

断裁機で紙を断裁する動画

断裁機で何百枚もまとめて断裁する様子を動画で作成しました。(2006年撮影/2025年現在のメインの断裁機とは異なります)