解説
モアレとは「規則正しく分布している細かな点や線を重ね合わせたときに新たに生じる斑紋。各版の網点を刷り重ねる多色印刷などで起こる。」(三省堂「大辞林」第二版)という意味で、印刷時に網点の重なり具合によって発生し、本来のデータには見えない縞状の模様のことです。モワレともいいます。
モアレが発生した場合、以下の例のように印刷のムラのような仕上がりになってしまいます。
主に、既に網点のある印刷物ををスキャニング(画像取り込み)し、それを印刷した場合に発生します。
他には縞柄のネクタイや服装、簾(すだれ)・網戸・スピーカーのようなものの写真を配置して印刷すると発生する場合があります。
モアレの解決方法
モアレの完全な回避方法はありませんが、モアレを印刷の前にある程度予測することができます。
Photoshopなどで画像を開き、表示拡大率を33%や66.7%などの中途半端な値にしたときに縞状の模様が発生する場合にはモアレの発生する可能性が高いといえます。
網戸のある和室の画像を表示(一部)
網戸のある和室の画像を縮小表示して縞状の模様が出ている様子(一部)
縞のシャツの画像を表示(一部)
縞のシャツの画像を縮小表示して横方向に縞状の模様が出ている様子(一部)
この場合、Photoshopのフィルタなどで輪郭以外をぼかすことである程度モアレの発生を抑えることができます。
他には、CMYKへのカラー分解を、GCR(Gray Component Replacement)という手法で行う方法があります。
CMYのカラーでグレー(スミ・K)成分に置き換えることで、総インキ量が抑えられ、結果として網点の重なりを減らすことができるので、網点同士の干渉であるモアレの発生をある程度抑えることができます(完全になくなるわけではありません)。
関連情報・参考資料
- 写真素材:網戸越しの和室 - No: 500128(写真AC)
- 写真素材:T シャツ 衣料品 服(Pixabay)