“PP加工・PP貼り” の意味・解説

  • 公開:
  • 更新:
  • 制作/編集:
PP加工・PP貼り
目次
Loading...

表記・読み

解説

PP加工とは、ラミネート加工の一種で、ポリプロピレン(PP/Poly-Propylene)加工のことです。PP貼りとも呼ばれます。

印刷された紙に接着剤を塗布してポリプロピレンフィルムを圧着させます。

PP加工を行う目的

PP加工を行う目的は主に以下のものが挙げられます。

  1. 耐久性の向上PP加工で、印刷物が傷つきにくくなり、耐水性や耐摩耗性が向上し、印刷物をキレイに長く使えます
  2. 発色や高感の向上:PPのフィルムの光沢や表面の質感によって発色や高感の向上が期待できます
  3. 印刷面の保護:摩擦などによる印刷面のキズや色移りによる汚れ、指紋の跡などの汚れを防ぎます

PP加工は、雑誌・カタログの表紙や書籍カバーなどで使用される場合が多く、フィルムを貼ることによる表面の保護や光沢感の向上などが主な目的としてあげられます。

マット紙などでインキ量の多い絵柄の場合は、紙の構造上、紙の擦れ(こすれ)により印刷のインキが剥がれてしまう・転写されてしまうことがあるために、表紙などでPP加工やニス加工を行う場合があります。

PP加工の種類

PP加工は主に以下の2つの種類があります。

クリアPPは、単に「PP」と呼ばれる場合や、「グロスPP」と呼ばれることもあります。

そのほか、 ホログラムPPやベルベットPP(ソフトタッチPP)といったものがあります。

PP加工印刷物の注意点

印刷物の印刷方式による違いについて

PP加工のフィルムは基本的にオフセット印刷用のフィルムです。

オンデマンド印刷(POD/業務用レーザープリンター印刷)では、同じフィルムを使用すると剥がれやすくなってしまいます。このため、オンデマンド印刷専用のPP加工のフィルムがあります。印刷の内容によって剥がれやすさなどが異なるので注意が必要です。

ユポ紙について

PP加工は基本的には熱で圧着するので、ユポなどの石油合成紙ではPP加工を行うことで用紙そのものが紙がよれるといった変成をしてしまうことがあるので注意が必要です。

【関連情報】

PP加工する用紙の厚さについて

薄い用紙の場合、PP加工時に紙がシワになったり、よれたりする恐れがあります。

用紙の厚さは四六判135kg以上をお薦めいたします。

【関連情報】

PP加工した後の印刷色について

クリアPP加工を行うと印刷面が平滑になり濃度が向上したように見えます(濃くなったように見えます)。仕上がりの色がPP加工前と異なるので、色味を気にする印刷では十分注意してください。

PP加工なしの印刷物とクリアPP加工ありの印刷物のカラーの違い(イメージ)
PP加工なしの印刷物とクリアPP加工ありの印刷物のカラーの違い(イメージ)

逆に、マットPP加工を行うと印刷面がつや消しになり濃度が低下したように見えます(薄くなったように見えます)。仕上がりの色がPP加工前と異なるので、色味を気にする印刷では十分注意してください。

PP加工なしの印刷物とマットPP加工ありの印刷物のカラーの違い(イメージ)
PP加工なしの印刷物とマットPP加工ありの印刷物のカラーの違い(イメージ)

PP加工した印刷物の耐水性について

PP加工は雨に当たる場所に貼るポスターなどでは保護の加工になりません。

PP加工を行うことで印刷物の表面の保護をすることはできますが、PP加工のフィルムの部分と用紙の部分の間(横の断面)から水分が浸透してしまい、印刷物が傷んでしまうためです。(PP加工されていない面からの水分の浸透もあります)

屋外に貼るポスターの場合は、耐久性・耐水性に優れた用紙である「スーパーユポ」を使った印刷をお薦めいたします。

PP加工した印刷物のリサイクルについて

PP加工はフィルムを使用するので、PP加工されていない印刷物と比べてリサイクルしづらい印刷物になります。

古紙リサイクル適性ランクは、紙へのリサイクルには阻害となるが、板紙へのリサイクルには阻害とならない「Bランク」になります。

【関連情報】

PP加工した印刷物の折り加工について

PP加工した印刷物は、PP加工されていない印刷物と比べて表面が滑りやすくなったり、柔軟性が低下したりします。

このため、折り加工をする際に正確性や作業性が低下したり、スジ入れなどの加工をしてから折りを行う必要性が出てきたりします。

【関連情報】

PP加工した印刷の事例

上記の印刷事例以外に以下の事例があります。