“CMYK” の意味・解説

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CMYK
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表記・読み

  • CMYK…しーえむわいけー
  • YMCK…わいえむしーけー
  • KCMY…けーしーえむわい

解説

CMYKとは、シアン(Cyan)・マゼンタ(Magenta)・イエロー(Yellow)・ブラック(blacK)の四色のことです。
通常のカラー印刷物はこの四色で印刷され、プロセスカラー印刷とも呼ばれます。YMCK、KCMYとも呼ばれます(後述)。

※ブラックがBではないのはRGBでいうところの青がBにあたるためだと言われています。このblackがKになっている件に関してはKey plateのKという説もあります。(後述)

ただし、以下のように用紙毎にの「白」の色は、「様々な白」が存在しています。

用紙単体で見ると、白に感じていたものが、用紙同士を並べてみるとグレーっぽい白、青っぽい白、黄色っぽい白など白にも様々な白があることがわかるのではないでしょうか。

この用紙の上にCMYKのインキを使用して印刷するので、同じCMYKの値でも色が異なってくることも大いに考えられます。

王子製紙の板紙系の用紙
王子製紙の板紙系の用紙
五條製紙の用紙
五條製紙の用紙

他にも、各社のCMYKのインキやトナーそれぞれのカラーは異なります。このため、データ上では同じM100%Y100%でもインキが違うことで異なった再現になることがありますので注意が必要です。

印刷機やRIPなどのカラーマネージメントシステムや調整により特定の基準に合わせる/近づけることもできますが、事前の打ち合わせが必須です。

また、CMYKには他にもカラープロファイルという要素があり、CMYKのカラーの値で表現する領域を定める要素もあるので注意が必要です。

以下の画像では「Japabn Color 2001 Coated」が選ばれていますが、その下に表示されている「U.S. Web Coated(SWOP)v2」などを選択すると、同じCMYKの値のデータでも見た目のカラーが変化します。

CMYKカラープロファイル

CMYKのイメージ例

以下のような印刷物(イメージ)があったとします。

全てのカラー

この印刷物(イメージ)は実際にはCMYKの4色のカラーで印刷されており、それぞれのカラーは以下のような感じで印刷されています。

Cyan・シアン
Magenta・マゼンタ
Yellow・イエロー
Black・ブラック

CMYKカラーとRGBカラーの違いについて

CMYKカラーの印刷では紙などに印刷を行い、光の反射によって私たちの目に届きます。逆にRGBカラーのテレビなどでは光の反射ではなく、直接光を発しているため、鮮明度がRGBカラーの方が高くなっています。

このため、RGBカラーのデータをCMYKカラーに変換すると、色相が変化したり、鮮やかさがなくなったりします。

Kの語源について

Wikipediaから

CMYK color model」(Wikipedia)では、CMYKのKがblacKとして書籍に掲載されているものを何点か挙げ、Wikipediaの著者群は「これらの書籍の著者は伝統的な印刷技術に対して詳しくはない」とし、blacKは不正確だとしています。

また「black」が伝統的な印刷技術で「key」の刷版であるということがあったとしても、「K」が当時から「key plate」の意味で使われていたかは明確には示されてはいません。

このため、「K = key plate」にも議論の余があります。

The "K" in CMYK stands for key, as in four-color printing, cyan, magenta, and yellow printing plates are carefully keyed or aligned with the key line of the black key plate. Some sources suggest that the "K" in CMYK comes from the last letter in "black", for instance Mark Galer and Les Horvat (2002). Digital Imaging: Essential Skills. Focal Press. and Simon Jennings (2003). Artist's Color Manual: The Complete Guide to Working with Color. Chronicle Books. However, such explanations are likely inaccurate, plausible inventions of authors unfamiliar with traditional printing technology. Mark Gatter (2005). Getting It Right in Print: Digital Pre-press for Graphic Designers. Laurence King Publishing.
CMYK color model - Wikipedia, the free encyclopedia

PostScript Language Referenceから

Adobeが発行しているPostScript言語のリファレンスマニュアルの「PostScript Language Reference, third edition」のDeviceCMYK Color Spaceの項目では、インキの名称に触れ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックと表記しています。

なお「PostScript Language Reference, third edition」内では「Key Plate」という表現はありません。

DeviceCMYK Color Space

The DeviceCMYK color space allows colors to be specified according to the subtractive CMYK model typical of printers and other paper-based output devices. Each color component in a DeviceCMYK color value specifies the amount of light that the corresponding ink or other colorant absorbs. In theory, each of the three standard process colors used in printing (cyan, magenta, and yellow) absorbs one of the additive primary colors (red, green, and blue, respectively). Black, a fourth standard process color, absorbs all additive primaries in equal amounts.

PostScript Language Reference, third edition(Adobe)

YMCK・KCMYという呼び方について

昔からの印刷オペレーターをされていた方や製版をされていた方の中には「CMYK」ではなく「YMCK」と呼ぶ場合があります。

これは一部の会社のローカルな呼び方ではありません。1992年3月初版が発行された『製版・印刷はやわかり図鑑』(社団法人日本印刷技術協会/大塩治雄・玉虫幸雄 著)にも「YMCK」という表記が散見されます。

以下の画像は2006年7月に改訂版として出された『新版 製版・印刷はやわかり図鑑』の136ページです(カラーの下線は吉田印刷所による)。

『新版 製版・印刷はやわかり図鑑』136ページ
『新版 製版・印刷はやわかり図鑑』136ページ
『新版 製版・印刷はやわかり図鑑』表紙
『新版 製版・印刷はやわかり図鑑』表紙

ほかにも公益社団法人日本印刷技術協会のウェブサイトにも以下の記述が見られます。

近年DTPが普及してから、4色(プロセス・カラー)のことを「CMYK」という言葉が使われているが、昔は「YMCK」と呼んでいた。いつから「Y」と「C」の順序が入れ替わったのか不明であるが、これは印刷の刷り順を表す意味である。

水を使うオフと水なしオフ - 知らないと損をする印刷の知識(3)(公益社団法人日本印刷技術協会)

YMCKの網%で示すとY25~30%M15~22%C2~7%Bk0%というイメージだろうか?ここでBkが入るとっぽくなってしまうし、C×M=30度モアレとM×Bk=30度モアレで出来る二次モアレであるロゼッタが問題になるので、肌にとシアンが入るのはご法度になっている。いわゆる影の部分に亀の甲模様のザラツキが出てしまうのである。

2006年最後の肌色談義(公益社団法人日本印刷技術協会)

YMCKは以前はその順番で印刷されていたようですが、現在は一般的にはKCMYの順で印刷されるため、CMYKのことをKCMYと呼ぶ場合もあります。

以下の画像はオフセット印刷機を排紙側(デリバリー側)から撮影したものです。

カラー印刷の順番(KCMY)
カラー印刷の順番(KCMY)