解説
アウトライン化とは、文字情報やオブジェクトの縁取りを元にして、図形化することです。
文字のアウトライン化、パスのアウトライン化という使い方をします。
文字のアウトライン化について
文字情報をあらかじめ図形化することで、ドキュメントファイルをフォントがない環境で開いた場合の「文字化け」が発生しなくなります。
当社で対応していないフォントに関してはアウトライン化をお願いしております。
※PDFデータによるデータ入稿の場合、フォントが埋め込んであればフォントをアウトライン化する必要はありません
Illustratorでアウトライン化した文字とアウトライン化する前の文字を選択したときの違いは以下の通りです。
Illustratorのフォントのアウトライン化については以下のページをご覧下さい。
InDesignでのフォントのアウトライン化は、文字のズレや文字ボックスの色の欠落などの問題が発生するため、お薦めいたしません。
どんなフォントでもアウトライン化できますか?
フォントによってはアウトライン化できないフォント(プロテクトフォント)もあります。
アウトライン化できないフォントの多くは古いMacの制作環境のフォント(OCFフォント)などで、現在流通しているOpenTypeフォントやTrueTypeフォントの多くはアウトライン化できます。
どんなアプリでフォントをアウトライン化できますか?
Illustrator・Photoshop・InDesignなどのプロ向けのDTPアプリではフォントのアウトライン化ができますが、Word・Excel・PowerPointなどのOfficeアプリはフォントのアウトライン化はできません。
アウトライン化すると、文字が太るのでしょうか?
フォントをアウトライン化すると、よく文字が太ると言いますが、CTPで出力する場合は出力解像度が2400dpi以上なので、0.01mm程度の太りでしかありません。
0.01mm程度の太りは人間の目には差がわからない範囲なので、ほとんどの場合、文字が太ったようには見えません。
インクジェット・レーザープリンタおよびオンデマンド印刷機では印刷解像度の関係で、多少太ったように見える場合があります。
PDFなどのディスプレイ上で見る場合、フォントをアウトライン化している部分とアウトライン化していない部分で太さが違って見えることがあります。
これは、フォントは表示や出力で最適になるようにヒント情報を持っているのですが、この情報がアウトライン化することで消えてしまい、一般的なベクターの図形と同じように扱われて表示されるため表示の違いが生まれてしまいます。
元のフォントとアウトライン化したフォントの表示の違いの例
Illustratorにて「Adobe Garamond Pro Semibold」を使った例を紹介します。
Illustratorでピクセルプレビューをすると元の①と②③は異なる表現をされていることがわかります。線の太さや微細な装飾などの再現は、元のフォントとアウトライン化したものでは再現性が変わってしまっています。
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