解説
TIFFとはTagged Image File Formatの略で、DTPでは非常に良く使用される画像形式のひとつです。
タグ化された記述をファイルに含むことからこのような名前が付けられました。
1bit TIFF(1ビットTIFF)と言った場合は、単なる画像ファイルという意味以外の別の意味を含む場合があるので注意が必要です。
拡張子
ファイルの拡張子は「tif」「tiff」がよく使用されています。
TIFF保存時の注意点
TIFFは一定の規則に沿ってタグ付けすればTIFFファイルを作成できるため、TIFFファイル作成のソフトウェア毎に微妙な異なりがあり、完全な互換性があるとは言えない状態にあります。
ファイルの保存設定によっては再編集ができない、レイアウトソフトで使用ができないなどの問題が発生する場合があります。
例
PhotoshopでTIFF形式の保存をする際のダイアログでは以下のように様々なオプションがあり、設定によっては問題が発生するおそれがあります。
LZW圧縮は比較的一般的な圧縮方法として選択されますが、その他のJPEGやZIP圧縮などは対応ソフトが少ないこともあり、あまり使用されていません。
▲Photoshop CS2の画面
レイアウトソフトに配置する際の注意点
EPSファイルのように低解像度のプレビュー画像がついていないため、レイアウトソフトに貼り込む際に画面表示用データを作成する関係上、読み込み完了までに時間が掛かる場合があります。
レイアウトソフトによっては、グレーのTIFFにカラーがつけられるものや、階調や調子をレイアウトソフト上で調整できる機能を持っているものもあります。出力機器によっては再現されない場合があるので、出力機器で意図通り出力できるかどうかを確認する必要があります。
Illustratorで使用する際の注意点
IllustratorではEPS保存する際にIllustratorがTIFF画像を解析してIllustratorの書類内に埋め込んでしまいます。
このため、リンク形式で配置してあっても、埋め込み形式に変更されてしまうため、画像の修正・更新などが困難になるおそれがあります。
再度Illustratorデータを開くことがある場合には、Illustrator EPS形式(eps)ではなく、Illustrator形式(ai)で保存した方がよいでしょう。
QuarkXPress3.3で使用する際の注意点
QuarkXPress3.3ではTIFF画像を配置するときに、画像ボックスのカラーを「なし」にしていると、画像の白色部分の周辺が自動的に切り抜かれてしまう場合があります。ご注意ください。
TIFF画像の画像ボックスのバックグラウンドのカラーは「なし」にしないでください
TIFF画像を配置する際に、解像度が大きいものを配置すると画面用プレビューの作成に失敗して、画面用プレビューが崩れる場合があります。出力にも影響がある場合があります。
例
クリッピングパスについて
TIFF画像にはクリッピングパスの設定ができますが、レイアウトソフトによりクリッピングパスが有効になる場合とならない場合があります。レイアウトソフトを変更する場合やレイアウトソフトのバージョン変更をする場合は注意が必要です。
またOPIサーバーを使用する場合も、(出力ターゲットにダウンロードされる)TIFFのクリッピングパスが有効になる場合とならない場合がありますので、OPIサーバーを使用する際は動作を確認する必要があります。
OPIサーバーの設定によっては、OPIサーバーで画像差し替えをする場合は切り抜きが有効になり、OPIサーバーで画像差し替えをしない場合は切り抜きが無効になる場合もあります。
2階調のTIFFについて
2階調のTIFFは2階調のPhotoshop EPSファイルと同じくレイアウトソフトでカラーがつけられ、また、設定によっては背景を透明にできます。
Photoshop EPSファイルのように低解像度のプレビューではないため、2階調のTIFF方が利用しやすい場合もあります。(Photoshop EPSのEPSプレビューを使用しなければPhotoshop EPSでも高解像度でTIFF画像を見ることができます)
QuarkXPress3.3JではモノクロTIFFや2階調TIFFに色を付けた場合には、正確に出力できるできないなどは出力するところでの設備によります。必ず確認する様にしましょう。
Illustratorで2階調のTIFF画像を使用している場合、フィルタなどで誤ってCMYKに変換してしまうと、背景が透明になっていたものが白になってしまう場合があります。ご注意ください。