解説
CIDとは?
CIDとはCharacter IDentifier(character[文字]+identify[特定する・確認する] +er[~するもの]=文字識別子)の略です。
CIDフォントはAdobeが提唱したCID-Keyed Font Formatに基づいたフォントを言います。
CIDフォントはフォントのアウトラインデータや詰め情報が入った「フォントファイル」と、文字とコードの対応情報が入った「CMapファイル」で構成されます。Illustratorの「字体切り換え」の機能はこのCMapファイルを切り換えることで実現されています。
NewCIDフォントとは?
NewCIDフォントとはモリサワのCIDフォントのみで使用される言葉です。他のメーカーではNewCIDフォントという言葉は使用しません。
モリサワのCIDフォントは発売当初、PDFへのフォント埋め込みやIllustratorでのアウトライン化をできないようにするプロテクトが掛けられていました。この仕様を変更し、PDFへのフォント埋め込みやIllustratorでのアウトライン化のプロテクト解除を行ったものを販売をするにあたって、前に販売していたCIDフォントと区別するためにNewCIDフォントと名付けられました。
CIDフォントの特徴
CIDフォントは以下のような特徴があります。(すべてのCIDフォントが以下の特徴を持つわけではありません。)
CIDフォントを使用の際の注意点
MacOS9まではシステムフォルダに「common」フォルダとその中に「CMaps」フォルダがあるかどうかを確認してください。ない場合は正常にフォントが表示されない場合があります。
commonフォルダのインストールはAdobeのページより行ってください。
OCFフォントとCIDフォントでは似たような名前でも†2文字の幅や高さなどの情報が異なるため、フォントの安易な置き換えは事故の元になります。
- †1: IllustratorでOCFフォントで「詰め」ができるのはIllustratorの「詰め」フォルダにあるSBXというファイルが文字の詰め情報を記載しており、その情報をIllustrator起動時に読み込んでいるからです。
- †2: 「リュウミンL-KL」と「A-CID リュウミンL-KL」など。
関連情報・参考資料
- 異体字(DTP・印刷用語集)
- OTF・OpenType Font・オープンタイプフォント(DTP・印刷用語集)
- OCF(DTP・印刷用語集)
- TTF・TrueType Font・トゥルータイプフォント(DTP・印刷用語集)