“ドライダウン・インキドライバック” の意味・解説

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表記・読み

  • ドライダウン…どらいだうん
  • インキドライバック…いんきどらいばっく

解説

ドライダウンとはオフセット印刷でインキが乾燥した後の印刷濃度が、印刷直後(インキがセットされた状態)の印刷濃度に比べて減少する現象のことを指します。

例:

 印刷直後:  色の濃い部分が暗く見える   乾燥後:  色の濃い部分が明るくなる 
 印刷直後:  色が艶やかに見える      乾燥後:  色が沈んだように見える 

ドライダウンの幅が大きい場合は、意図した印刷濃度に達していない印刷物が納品されてしまうというトラブルが発生するおそれがあります。

ドライダウンは、紙やインクによって違いの幅が異なり、塗工紙であるコート紙マットコート紙よりも非塗工紙である上質紙の方が、違いの幅が大きくなる傾向にあります。

また塗工紙ではコート紙(グロス塗工紙)よりもマットコート紙マット塗工紙)の方が、違いの幅が大きくなる傾向にあります。


ドライダウンの原因としてはインキの成分が紙や塗工部分に浸透することで、印刷面のインキの平滑性が失われて、インキの光沢や光の拡散が変化するために発生すると考えられています。

紙の表面は微細な凹凸があり、その凹凸部分にインキが浸透することで光の拡散が促進され、またインキの厚みが減少することで印刷の濃度が下がったように見えるためです。

ドライダウンの原因 ドライダウンイメージ図

▲ クリックすると図が拡大されます


ドライダウンの幅が小さいということは、ドライダウンの幅が大きい印刷に比べて、同じインキ量でも最終的な印刷物の濃度が向上することになります。


改善方法としては用紙やインキをドライダウンが少ないタイプの用紙やインキに変更する、インキの湿し水の量を極力減らすなどが挙げられます。