解説
コントロールストリップとは仕上がりの領域の外側に配置するカラー管理(カラーマネージメント)のためのオブジェクトです。
一般的には用紙の端に配置され、細長い棒のような形状をしています。
カラーバーやカラーパッチと呼ばれる場合もあります。
コントロールストリップはCMYKの各カラーのベタ(濃度100%)のカラーや濃度50~70%前後の平網などのカラーが並んでおり、メーカーによってはスラーやダブリ検出用のオブジェクトが配置してあることもあります。(吉田印刷所の印刷ではスラー検出用のオブジェクトを配置しております。)
ベタパッチなどとも呼ばれるものはCMYKのカラーのベタが並んでいることからそう呼ばれているようです。
このコントロールストリップはいわゆる色の定規ともいえるもので、分光測色機などで読み取られ、印刷されている色が「ベタ濃度」「グレーバランス」「ドットゲイン」などの観点から、どのような色なのかを数値(例えばLabの値など)に変換して管理できるようになっています。
印刷品質の安定化のためには人間の目に頼った色の管理だけではなく、客観的な数値をもって色の管理を行うことが重要です。コントロールストリップを測色することで、印刷の基準値に対して現在、どの程度、どのカラーがずれているのかといった情報を得ることができ、より的確な印刷のインキ調整を行うことが可能になります。こうした情報を元に常に安定したの品質の印刷物を作成することが可能になるわけです。
吉田印刷所では…
吉田印刷所では、コントロールストリップを導入して測色を行うとともに、イメージコントロールの印刷面の全面スキャンを行うことで、絵柄の部分部分のカラーが分析され、的確なインキ調整が可能になっています。
印刷機によってはインラインスキャンの装置によって印刷機内で測色を行います。
©HEIDELBERGER DRUCKMASCHINEN AG
同時にHeidelberg ColorAssistantというソフトウェアの導入により、印刷機毎のプリセット値をインキ調整に反映することができ、より少ない刷り出し枚数でインキ調整と安定した印刷が可能になっています。
関連情報・参考資料
- Prinect Image Control(Heidelberg)