“湿し水” の意味・解説

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表記・読み

解説

湿し水とは非画線部に印刷インキが付着することを防ぐために刷版の非画線部を湿らせる液体のことです。


オフセット印刷(平版印刷)ではインキが付着して紙に印刷される部分と、それ以外の部分がありますが、インキが付着する部分を「画線部」、それ以外を「非画線部」と呼びます。

オフセット印刷の仕組み

この画線部は油性のインキが付着しやすい親油性の特性を持ち、それ以外の部分は水が付着しやすい親水性の特性を持っています。

湿し水は親水性の特性を持つ部分を湿らせるためにあるのですが、通常の水道水の場合、表面張力が高く、細かいところにまで湿し水が行き届きません。またpHの値によっては湿し水が汚れやすくなったり、網点が細ったり潰れてしまったりします。このため、表面張力や保水性・pH・汚れを調整するためにH液やIPA(イソプロピルアルコール)・IPA代替品などの添加物が入っています。


湿し水の調整が印刷物の網点再現の均一性や正確性に反映されるので、印刷の品質を高める際には重要な要素となります。


吉田印刷所印刷通販「トクプレ.」では

吉田印刷所印刷通販「トクプレ.」で稼働しているHeidelberg Speedmaster XL105の湿し水はノンアルコールタイプの湿し水を利用しており、アルコールが全く添加されていないため、IPAが添加されているタイプの湿し水に対してVOCが低減されたものになっています。

また、吉田印刷所印刷では湿し水の使用量を絞って極限まで使用量を減らすなどの方法を行うことで、乾燥性に優れ、ドライダウンの量の少ない艶やかな印刷が可能になっております。