解説
1bit TIFFとは、TIFFのファイルの中でも2階調(つまりオンとオフの階調しかない)のTIFFファイルのことを指します。
制作編集時やレイアウトソフトウェアの話の中で1bit TIFF(2階調のTIFF)の話が出た場合は普通の画像ファイルの話の場合が多いですが、入稿データや面付けなどの話の中で1bit TIFFの話が出た場合は、別の意味になる場合があるので注意が必要です。
1bit TIFFは入稿データや面付けの話の中では、RIP済み(演算済み)のデータで、印刷用のデータ(PS・EPS・PDFなど)からスクリーニング処理(網化処理・網点化処理:screening)を行った網点情報を含む画像データのことを指すことが多くあります。この画像データは、網点の情報を含み、変化しない最終的なデータとして扱えるため、デジタルフィルムと称されることもあります。このデータをプレートセッターにて出力します。(もしくは面付けソフトウェアで面付けを行い、出力します)
しかし、プレートセッターの解像度とスクリーニング処理の解像度が異なる場合(例:プレートセッター=2400dpi/スクリーニング処理=2540dpi)、入力と出力で不整合が発生し、モアレなどの現象が発生する恐れがあるため、入力と出力の解像度に相違がないかを確認しておく必要があります。
解像度が違う場合はデスクリーニング(ディスクリーニング:descreening)という処理を行い、スクリーニング処理前のデータに戻すことも可能ですが、スクリーニング処理によっては元のデータとはかなり異なる結果になったり、再度スクリーニング処理を行った結果、品質が低下する場合もあるため、注意が必要です。(専用のシステムが必要な場合があります)
1bit TIFFは入力と出力の解像度などの問題を除けば、変わらないデータのため、安定した出力を望む場合や確実に出力したい場合などで運用されることがあります。いずれにせよ、出力機器の確認はスクリーニング処理をする前に行うことが重要です。
関連情報・参考資料
- 1bit TIFFのメリット・デメリット(JAGAT)