解説
DICとは、DIC(ディーアイシー;旧商号:大日本インキ化学工業株式会社)の社名の他、DICが製造している特色インキ、もしくは特色インキの色のことを指します。
DICは2008年に商号を大日本インキ化学工業株式会社からDIC(ディーアイシー)に変更したため、特色インキも「ディーアイシー」と呼ぶのが正式な呼び方になりますが、2008年現在は「ディック」と呼ばないと通用しない場合がありますのでご注意下さい。
DICカラーガイドという特色で印刷された色見本帳があり、特色で色を指定する際に「DIC○○番」と指定します。ただし「DICカラーガイド 第○版」という版によって内容が異なるので注意が必要です。色の認識の齟齬を無くすために、よくDICカラーガイドのチップを印刷会社などに送付する場合もあります。
▲DICカラーガイド(第17版)
▲DICカラーガイドの表紙に第○版と書いてあります。
DICカラーガイドの版によっては、DICの特色インキカラーをCMYKで表現したときの近似カラー値が掲載されていますが、印刷会社やインキによってプロセスカラーの色が多少異なるため、CMYKの近似カラーを選択しても意図したイメージにならない場合があります。ご注意下さい。
▲DICカラーガイドには版によってはプロセスカラーに分解した場合のCMYKの値が書いてあるものがあります。プロセスカラーで分解した場合に再現性が低い(=あまり似ていない)カラーは「*」の印、特に再現性が低いカラー(メタリックカラーや蛍光色)は「**」の印がついています。
同様にIllustrator・InDesignのスウォッチをプロセスカラーに分解した場合も、近似カラー値で分解されますが、印刷会社やインキによってプロセスカラーの色が多少異なるため、CMYKの近似カラーを選択しても意図したイメージにならない場合があります。ご注意下さい。
注意点
DICカラーガイドでは「1/2」が付いたカラーがありますが、「1/2」が付いていないカラーの半分の濃さのカラーではないので注意が必要です。
▲DICカラーガイドで左から「DIC549 1/2」「DIC549」「DIC546 1/2」「DIC546」と並んでいますが、「DIC549 1/2」は「DIC549」より濃くなっていますし、「DIC546 1/2」は「DIC546」の半分の濃さでもありません。
また、DICカラーガイドにはコート紙と上質紙での印刷結果もDICのカラーによっては付属しています。コート紙と上質紙では色の再現性が異なりますので、DICのカラーチップを付ける際には印刷用紙にもご注意下さい。