解説
メタデータとは、データ本体とは違う目的で使用するために付属する付加的な情報を指します。データ本体がどのようなものであるかを示したデータともいえます。
メタデータは以下のようなものが例としてあげられます
- データの作成者・ユーザー名
- データの編集者・ユーザー名
- データの作成日
- データの更新日
- データのタイトル
- データの要約
- データ作成のソフトウェア
- データが作成された場所
- データ作成条件
デジタルカメラで撮影されたJPEG画像で撮影のカメラ機種名・撮影条件・カラー空間などが記載されたExifデータなどもメタデータの一種です。
Adobe はメタデータに対してXMP(Extensible Metadata Platform)という規格を提唱し、Photoshop・Illustrator・InDesign・Bridge・AcrobatなどのAdobe の主要なソフトウェアが対応しています。特にAdobe Bridgeでは様々なメタデータ(XMPやExif)の表示や検索に対応しています。
また、このXMPというメタデータの規格は広くオープンにされているので、Adobe以外の会社では例えばMicrosoft Windows Vistaに搭載されているフォトギャラリーの機能からもメタデータを読み書きできます(すべてのメタデータにアクセスできるわけではないですが)。
Windowsで「Adobe PDFプリンタ」でPDFを作成したときには以下の様なメタデータ(XMP形式)が添付されていました。テキストエディタでPDFファイルを開いてみると、PDFファイルの最後の方に記載されていました。
この情報の中にはPDF変換のソフトウェアやファイル作成日などが記載されています。
<?xpacket begin="" id="W5M0MpCehiHzreSzNTczkc9d"?> <x:xmpmeta xmlns:x="adobe:ns:meta/" x:xmptk="Adobe XMP Core 4.0-c316 44.253921, Sun Oct 01 2006 17:14:39"> <rdf:RDF xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"> <rdf:Description rdf:about="" xmlns:pdf="http://ns.adobe.com/pdf/1.3/"> <pdf:Producer>Acrobat Distiller 8.1.0 (Windows)</pdf:Producer> </rdf:Description> <rdf:Description rdf:about="" xmlns:xap="http://ns.adobe.com/xap/1.0/"> <xap:CreatorTool>PScript5.dll Version 5.2</xap:CreatorTool> <xap:ModifyDate>2008-09-29T15:30:45+09:00</xap:ModifyDate> <xap:CreateDate>2008-09-29T14:37:57+09:00</xap:CreateDate> </rdf:Description> <rdf:Description rdf:about="" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"> <dc:format>application/pdf</dc:format> <dc:title> <rdf:Alt> <rdf:li xml:lang="x-default"><83608389835688F38DFC8145837C8358835E815B88F38DFC8145834A835E838D834F88F38DFC81458DFB8E7188F38DFC82CC88F38DFC89EF8ED0208B67936388F38DFC8F8A></rdf:li> </rdf:Alt> </dc:title> <dc:creator> <rdf:Seq> <rdf:li><8DF990EC208F8388EA></rdf:li> </rdf:Seq> </dc:creator> </rdf:Description> <rdf:Description rdf:about="" xmlns:xapMM="http://ns.adobe.com/xap/1.0/mm/"> <xapMM:DocumentID>uuid:9b1abd56-cbcc-41fd-a4b5-cd3a0ae8951d</xapMM:DocumentID> <xapMM:InstanceID>uuid:fe29f1d6-170a-4388-935e-948411e95541</xapMM:InstanceID> </rdf:Description> </rdf:RDF> </x:xmpmeta>
メタデータをデータに付加すること(もしは別の形式でリンク付けしておくこと)でどのようなメリットがあるのかを考えてみると、データの集まりから「○○さんが作ったデータだけを集める」とか「○○の時に撮影したデータだけ集める」とか「○○の近くで撮影された写真データだけを集める」などの条件でデータを区別して様々なことに利用することができます。iPhoneを含むGPS機能搭載の携帯電話・デジタルカメラなどではGPS機能を使用して写真データに撮影位置の情報を埋め込むことができます。
たとえば、カメラで撮影した写真に、GPS位置情報をジオタグとして貼りつけることができます。この写真をオンラインで共有すると、友だちや家族にも撮影場所が一目でわかります。App Storeには、友だちの居場所を探すツールやインタラクティブなシティガイドなど、便利なGPS対応アプリケーションが揃っています。
アップル - iPhone - 特長 - GPS
WordやExcelなどでもデータ作成者などの情報をWord(.doc・.docxなど)・Excel(.xls・xlsxなど)ファイルに埋め込むことができますが、場合によってはそれらの情報が含まれていると都合が悪い場合があります。このため、MicrosoftではWord 2000・Excel 2000・Word 2003・Excel 2003などのOffice 2003・Office 2000(XP)でメタデータを削除できるツールを用意してあります。Word 2007・Excel 2007などのOffice 2007では、メニューからメタデータを削除できる機能が搭載されています。詳しくは以下のページをご覧ください。
Office 2003 および Office XP 用隠しデータ削除ツール
Office 2003 および Office XP 用隠しデータ削除ツール アドイン バージョン 1.1 についての既知の問題
Office ドキュメントから非表示のデータおよび個人情報を削除する - ヘルプと使い方 - Microsoft Office Online
どんなファイルでもメタデータを添付できるわけではなく、デジタルカメラのCamera Raw形式のデータなど、メタデータが添付できないファイル形式もあります。(この場合、例えばAdobe Lightroomではサイドカーといわれる別のファイルにXMP形式のメタデータが保存されます)