解説
ストループ干渉(ストループ効果)(Stroop Effect)とは、1935年に心理学者のジェームズ・R・ストループにより報告された、同時に提供される二つの情報が干渉しあって、理解を妨げたり困難にする現象のことです。
たとえば緑色で書かれた赤という文字は、赤色で書かれた赤という文字に比べ、音読に時間がかかるという現象です。
以下の例では、緑は「進め」、赤は「止まれ」と学習している人々の間では、色と表示内容の不一致は干渉を引き起こします。
情報処理の過程で起こるこれらの葛藤は、受け手にストレスを感じさせ、結果としてデザインに対する不快感さえ呼び起こしかねません。
これらを回避するためにも、(意外性やサプライズを狙うのでなければ)とりわけ情報伝達デザインの分野では、一般的に広く認知された物事を上手く利用したデザインが望ましいと考えられます。
また、記号や絵を用いることで、それに関連するデータが引き出され、より直感的な判断の助けともなります。
道路の右折信号機に見られる緑の矢印は、進めの文字や号令がなくともドライバーの視覚を通し瞬時に処理されます。
工事現場の看板に書かれた大きく開かれた手のひらは、危険を知らせるのに効果的です。
参考文献
- 『Design Rule Index』著者/Willam Lidwell,Kritina Holden,Jill Butler
関連情報・参考資料
- ストループ効果(Wikipedia)