解説
TIFF/ITとは、Tagged Image File Format for Image Technologyの略で、印刷用データの相互交換用(=入稿用)に規定されたファイル形式です。
ISO 12369で規定されています。(ISO 12639:2004)
TIFF/ITは出力メディアに依存しない様に規定されており、ファイル形式としてはTIFF形式を採用しています。
TIFFのリビジョンは6.0をベースとしています。
このデータは全ての情報がラスタライズ(画像化)されており、最終的なページデータのイメージを含みます。
TIFF/ITはP1とP2のプロファイルに分かれており、使用できるカラーが異なります。TIFF/ITのCMYKカラーを基本としていますが、拡張されたLW(color line art data)のパレット(65,535色)と32色の特色も使用できるようになっています。他のカラースペースやICCプロファイルも使用できます。ただし、TIFF/ITのP1プロファイルでは、使用できるカラーがCMYKカラーだけに制限されています。
TIFF/ITは雑誌などの広告部分のデータなどで多く使用されてきましたが、次第にPDF/Xのデータに置き換わっていきました。
TIFF/ITは全てがラスタライズされたデータなので非常に大きなデータとなります。ラスターデータとベクターデータを併用使用できるPDF/XのデータはファイルサイズがTIFF/ITより小さく、積極的にTIFF/ITを採用するメリットがなくなったためです。
東京都印刷工業組合のページではTIFF/ITについて以下の様に記載されています。
最近は1bitTIFFデータでのやりとりがワークフローで確立されたため、あまり使用されなくなりました。
分かったつもりの印刷用語
関連情報・参考資料
- TIFF/IT for Image Technology(アメリカアメリカ議会図書館)
- TIFF/ITの読み方:『DTPエキスパート試験 スーパーカリキュラム[第7版対応]』(野尻研一著/毎日コミュニケーションズ発行)P153
- 分かったつもりの印刷用語(東京都印刷工業組合)