解説
AIデータ(エーアイデータ・AI形式・エーアイ形式)とは、Adobe Illustrator形式のデータのことです。
(Illustrator形式はIllustratorネイティブ形式とも呼ばれます)
※AIデータは、Illustrator形式のファイルを指すだけではなく、Illustratorで編集ができるファイル形式という意味で、Illustrator EPS形式も含まれることも稀にあります。
Illustrator形式のファイルは拡張子が「.ai」なので、拡張子からAI形式と呼ばれるようです。「AI」はAdobe Creative Suite・Creative CloudのIllustratorアイコンでも「Ai」と書かれていますが、「AI」は「AdobeIllustrator」の略です。
※画像はIllustrator CS6のIllustrator形式のデータ(AIデータ)のアイコン
ファイルを保存する際のファイル形式で、Illustrator EPSやAdobe PDFではなく、「Adobe Illustrator(ai)」を選ぶとIllustrator形式で保存できます。
Illustrator形式のデータはAcrobat Readerでも内容を確認できます
デザイナーとのデザインデータやりとりで、Illustrator形式のIllustratorデータが送られてくることがありますが、Illustratorがインストールされていないパソコンに送られても内容を確認できない…、そう思っていませんか?
実は、Illustrator形式のデータは保存の方法によって、Illustratorではなく、無料のAcrobat ReaderやMac OS X標準搭載のプレビューでも確認することができます。
Illustrator形式のファイルをAcrobat Readerなどで見るための準備
以下のようにすると、Illustrator形式のIllustratorファイルをAcrobat Readerで見ることができます。
Illustratorで以下のデザインを作成したとします。
Illustrator形式で保存するときのIllustratorオプションダイアログで「PDF互換ファイルを作成」にチェックを入れて保存します。これだけです。
保存されたIllustrator形式のファイルは、一見普通のIllustrator形式のファイルのように見えます。
Illustrator形式のファイルをAcrobat Readerにドラッグ&ドロップして開きます。
Acrobat ReaderでIllustrator形式のファイルが開き、内容を確認することができました。
Illustrator形式で保存するときのIllustratorオプションダイアログで「PDF互換ファイルを作成」にチェックを入れないで保存した場合はどうなるのでしょうか?
この場合はIllustrator形式のファイルをAcrobat Readerにドラッグ&ドロップして開いても、内容を確認することはできません。
これは PDF の内容を含めずに保存された Adobe Illustrator ファイルです。このファイルを他のアプリケーションに配置または開くには、Adobe Illustrator で「PDF 互換ファイルを作成」オプションを選択して保存しなおす必要があります。
このオプションは、Adobe Illustrator ファイルを「別名で保存」コマンドを使用して保存するときに表示される、Illustrator オプションダイアログボックスにあります。
なぜAcrobat ReaderでIllustrator形式のファイルを見ることができるのか?
なぜAcrobat ReaderでIllustrator形式のファイルを見ることができるのかというと、「PDF互換ファイルを作成」にチェックを入れて保存したファイルは、以下の図の右側のように、Illustratorの情報に加えて、PDFの情報も一緒に保存されます。
このため、Acrobat ReaderなどのPDFを開けるアプリなどでは、一緒に保存されたPDFの情報を使用して内容を表示できるのです。
関連情報・参考資料
- Illustratorで保存時間を早く、ファイルサイズを劇的に小さくする簡単な方法(メールマガジン)
- 使用したバイオリンの画像(Freepik)